第2話:まさかの居候ヴァンパイア!? ①
「う……う~ん……」
「あら、ありす目が覚めたの?」
ありすが目を覚ますと、そこはソファーの上だった。
「私……」
「あなた気を失ってたのよ」
「え……、そうだ!そうだよママ!変なヤツが―――」
ありすが飛び起きると視線の先には―――
「何でアンタがここにいるの!?」
ありすの出会った男が父の物と思わしき服を着て、我が物顔で椅子に座っていた。
「失礼なこと言っちゃダメよありす。アナタをここまで運んで下さったのはディアンさんなのよ」
ありすがディアンの方を見ると、ディアンは小馬鹿にしたように笑った。
「ママ!コイツ早く追い返してよ!危ないヤツなんだって!パパも見てないでこの不審者追い出してよ!」
「ありす、そういう態度は良くないとパパは思うよ。先ずはお礼を言うべきなんじゃないかな」
「んぐ……」
父の言葉は正しかった。だから反抗出来なかった。
ありすはディアンの前まで行くと頭を下げた。
「助けてくれてありがとうございました。…………はい終わり!出てけ!」
「ありす……」
「お礼は言ったよ!お菓子あげるから早く出てって!」
ありすは机にある菓子を鷲掴みすると、ディアンに押し付けた。
「小娘、キサマオレ様に出ていってほしいかもしれんがそれは無理だ」
「何で」
ありすは怒り混じりに言った。
「何でって―――」
「ディアンくんにはこの家で一緒に生活してもらうからでーす!」
ディアンの言葉を遮りありすの父が叫んだ。
「はぁ!?」
そして父の予想外の言葉にありすも叫んだ。
「ディアンくん遠い所から来たらしくて寝る場所がないんだって」
「だからわたし達のお家に泊めてあげようってなったの」
「「ね~!」」
仲良くハイタッチをしている様子を見て、ありすは項垂れるようにして頭を抱えた。
父と母は昔から自由奔放で超がつくほどのお人好しだった。だから大抵のことは受け入れてきた。だが流石に今回は許すことが出来なかった。
「ママもパパもコイツがどんなヤツか知らないからそんなことが言えるんだよ!私,コイツのせいで大変な目にあったんだから!」
ありすの必死の訴えた。だが二人は聞く耳を持たず今にも踊り出しそうな雰囲気だった。
「諦めなよ姉ちゃん。なに言ったって母さん達にはムダだって」
「だけど―――」
テレビの前で横になっていた弟:優斗はむくりと体を起こした。
「もしこの人が殺人鬼だったとしたら、もう仕方ないよ。それまでだったってことだって」
「―――ッあっそ!じゃあ好きにすれば!もう知らない!」
「ありす。ご飯は?」
「いらない!」
ありすは扉を開けると壊れるのではないかという勢いで閉め、出ていった。
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