(四)-2(完)

 ロイは横に顔を向けて、ゲゲチコリの顔にツバを吐きかけ、「リーダーは俺だ! こいつに手を出すな!」と大声で言った。

 ゲゲチコリは鼻の辺りにかかったツバを手で拭った。そして拳銃の銃床でロイの顔を殴った。

 殴られたロイは、椅子ごと床に横向きに倒れ込んだ。

 ゲゲチコリは僕に銃口を向けた。そして言った。

「ゴミはお前らだ。力を持っている人間が正義で、お前らこそが掃除されるべきゴミなのだ」

 ゲゲチコリはそう言うと真顔に戻り、「掃除しろ」と部下に命じ、手にしていた拳銃を腰のホルスターに戻した。

 近くの兵士の一人が僕のそばに来て、耳の上の当たりに小銃の銃口を押し当てた。そして「やめろ!」というロイの声が部屋にこだまする中、銃声がした。

 その後、僕の視界は横倒しになった。そして横向きに倒れているロイの姿が縦向きになった。

(了)

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絶望のツンドラ【『絶望のツンドラ』シリーズ】 筑紫榛名@次回1/19文学フリマ京都9 @HarunaTsukushi

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