(四)
「殺すことはないじゃないか!」
僕は叫んでいた。そう叫ぼうとして叫んだわけじゃなかった。気づいたら口からそう言っていたのだった。
「お前がペトル・カルヴァシだな。反乱軍ナンバー2の」
「そうだ!」
「なぜ政府に逆らう」
「この国からお前のようなゴミを掃除してやる必要があるからだ」
ゲゲチコリはロイの髪を掴み、乱暴に引き上げた。そしてロイの顔を僕の方へ向けた。さらにロイの顔に並ぶように顔を近づけて僕に聞かせるように「お前は生かしておいてやる。まだ使い道があるからな」と言った。
(続く)
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