(二)-12

 チェン氏は反対した。すぐに行動を起こしても、政府軍がいて危険だという主張だった。

 ナボコフはチェン氏の意見に反対した。それは政府軍の警備はいるが、大勢はいない。政府施設に移送される前に奪還するべきだ、と。

 二人は僕に決断を迫った。

「あなたは組織のナンバー2だ。決めるのはあなただ」

 ナボコフとチェン氏の意見は救出については対立していたが、この点は一致していた。

 僕は迷った。危険でもあるし、同時にチャンスでもあった。


(続く)

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