第68話 ツバキと過ごす

 それから丸2日間ずっと裸で暮らしてたっぷりとツバキを慰労したリンドウ。今は満足したツバキがベッドの横で寝息を立てている。窓の外は陽が大きく西に傾いていた。


 そっと起きるとキッチンの冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してソファに座って飲んでいるとしばらくして全裸のツバキが寝室からリビングに出てきた。前を隠すこともなくその見事な肢体をリンドウに見せつけながら近づいてくる。


 リンドウは多くの若手ハンターが夜のオナペットにしているという目の前の女の胸や股間に視線を送る。


「静かに起きたつもりだったんだがな」


 リビングに入ってきたツバキの見事な身体を見ながら言う。隣に座ったツバキはリンドウに身体を寄せると彼が飲んでいたミネラルウォーターのボトルを口に運び


「空気が変わるのよ。貴方がいるといないのとで」


 そう言ってミネラルウォーターを飲み干し、


「少し休んだら夕食を作るから食べていって」


 そうして少しソファに並んで座ってくつろいでツバキはキッチンに消えていった。


「少しずつ荒野に機械獣が現れてきてるらしいわ。固まって行動してるわけじゃないのでBランクのハンターが狩ってるみたい」


 キッチンで向かい合って食事をしながらツバキが話をするのを聞いている。2人とも全裸のままだ。テーブルの上には数種類の料理が並んでいる。そしてツバキがフォークやナイフを動かす度に誘う様に目の前で巨乳が卑猥に揺れる。


「Aランクの奴らは当分は稼ぐ必要ないくらいの報酬をもらってるからな」


 その言葉に頷いて、そして野菜を口に運んでから


「ただ支部に上がってきてる報告だと武器を装備している機械獣が増えている気がするという報告が多いの」


「奴らも進化するだろう。ありがたくない話しだが」


「そうなのよ。今のところは機械獣の武器の射程距離がずっと短いからハンターに脅威にはならないと思うけど、少しずつ進化してるってのは良いニュースじゃないわね」


 武装した機械獣が現れだした時からそれが進化していくのは見えてた。要はこちらの武器や防具の精度がそれ以上のスピードで進化すれば大きな脅威にはならないだろうとリンドウが言うとそうねと頷くツバキ。そして話題を変えて、


「それと、これは聞いた話なんだけどD6地区の奥にある巨大廃墟の奥、おそらく機械獣を製造している工場があるんじゃないかと言われている場所の探索で、都市防衛隊は船で海岸線を上がって巨大廃墟の奥から上陸して探索することを計画しているみたいなの」


「なるほど海からか。途中で襲われるリスクは大きく減るな。悪くないんじゃないか」


 悪くない発想だとリンドウは思ったので素直に思ったことを口にする。


「問題は上陸できる場所があるかどうかね。それで探索の前に先遣隊が上陸地点があるかどうか探しにいくみたい」


「都市国家としたら元凶は取り除きたいってことか。ただハンターは獲物がなくなると困る」


 リンドウの言葉はハンター本部内でも当然出ているのと言ってから


「でも探索だけらしいから当分は大丈夫だと思うけど」


「大規模部隊を送り込めるほどの船もないんだろう?」


 ツバキはリンドウの言葉に大きく頷き、


「そうなのよ。それに船を作るには多くの材料がいる。都市国家は限られた材料を使ってるから造船に優先的に材料を支給するってことにはならないと思うわ。武器や弾薬だって今回の都市防衛ミッションで潤沢に無いってわかったし。探索船くらいは認めても大規模な部隊を輸送する大きな船の建造の優先順位は低いはずよ」


 その後はデザートを食べながら雑談をし、そしてもう一度抱いてというリクエストに応えて寝室で熱い時を過ごしたリンドウは夜更けにマンションの自宅に戻っていった。

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