第8話 とりあえず
私はイライラしているので、適当なことを言ってラーニー王子と魔法使いルークを残してひとり城の廊下を歩いている。あー、イライラする。私はルークに対してイライラしている。けれども、私は公爵令嬢。自分のイライラを解決しないと。そこにひとりの騎士と廊下にてばったりと会う。あ、今の私は怖い表情になっていないかしら?
「フローレス様? 何かありましたか?」その騎士は心配な表情で私に言った。
あー、イライラを止めないとね。私は笑顔でこう言う。
「あらあら、心配なさっているのですか? 私は大丈夫ですことよ?」私はなるべく自然な感じで騎士に言った。
すると、騎士は安心したような表情を見せて私と話をする。あー、楽しい時間ですね。私はなるべくラーニー王子と魔法使いルークのことを今は考えないようにする。しかし、私の視線の先にはラーニー王子が立ってこちらの様子を見ている。
続く
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