第5話 え? 王子が迎えに?

 私は朝の支度を終えて、朝食をひとりでとっている。メイドがしばらくして慌てた様子で私にこう言う。

「お嬢様、ラーニー王子が馬車で迎えに……!」

 え? 王子が迎えに? えっと、まだ朝が早いよね。どうしてかしら? 私はメイドに、わかったと言った。私は朝食を半分残して急いで玄関を出る。すると、ラーニー王子の笑顔と朝陽がまぶしい。うーん、いったいどうしたのかしら?

「ポピー、おはよう」ラーニー王子が挨拶を。

 私も挨拶を済ませて馬車に乗る。ああ、私の朝食のデザートを食べたかった。でも、そんなことよりも、どうしてラーニー王子が迎えに? 馬車が動き始める。私はラーニー王子としばらく無言である。うーん、わからない。わからないよ。私はラーニー王子をチラッと見る。ラーニー王子がまぶしいニコニコ笑顔を私に見せている。うーん。

「ポピー? ボクのことをどう思っていますか?」

「え? ラーニー王子はよき理解者と思っておりますけど?」

「ポピー? そんなに硬い態度でなくてもいいよ?」ラーニー王子はそう笑顔で返した。

 え? 私、そんなに硬い態度であるかしら?


続く

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