屋上編(31,32話あとがき)
◆下手なことが言いづらいデリケートな話
「放課後のタルトタタン~穢れた処女と偽りの神様~」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054954440294
再度の屋上編が続きます。ここは蒼衣のターンでもありますね。ここからいよいよ第二部も佳境に入っていきます。
ところで最近考えるのが、創作における批評性というやつです。いや、最近じゃなくずっと考えてはいるのですが――
むずかしいですね。書いたり消したりしてるんですが、言いたいことがうまいことまとまりません。
少なくともアマチュア創作は気楽に好きなものを書けばいい、とは思うのですが、わたしが好きなものはあんまり気楽に書けないことが多いのが悩ましいところです。
誰も傷つけない表現なんてものはあり得ないんですが、それならそれで傷つき甲斐があるような作品を書きたいなあと。
ランキングは急浮上して78位から82位。念願のトップ100入りです。
◆31話「青空密室」
ここで密室の登場です。
ミステリとは通常、不可解な謎に合理的説明を付けるジャンルです。密室はその花形であり、解決を前提とした謎になってきます。
しかし、この作品は幻想ミステリであり、現実と非現実の境界に位置する話なので密室の扱い方も少し変わってきます。少なくとも、この時点では決して解き得ない謎、エニグマとして知佳たちの前に立ちふさがります。
現実的解釈が導き得るのか、得ないのか。それすらわからない宙吊り状態こそがこの作品らしさとも言うべきものだと思うのですが、どうでしょう。
なお、くしゃみ以降のやり取りはぎりぎりになって書き足したものだったりします。ずっと理屈っぽい話をしていたので、ここでちょっと緩急をつけたかった……んでしょうか。なんとなくこういう流れになっただけなのでよくわかませんが。
おかげでまた文字数が増えてとうとう5000字を越えてしまったのですが、蒼衣の描写が不足しているなあとも感じていたのでそのまま生かしました。
◆32話「狼少女はもういない」
六花の人物像について蒼衣視点から、掘り下げが行われます。
年上の、自分たちにとっては絶対的な存在が実は一人の人間でしかなかった――というある種の幻滅が好きなのですよね。
信じる信じないを保留にしている知佳に対して、「わたしたちもむかしはそうだったのよ」と理解を示しつつ、信じなかった後悔を語らせるちょっと卑怯な回になってます。
建前としては、この時点をもって、知佳は知るべきことはすべて知り、蒼衣たちと同じだけの情報を得たことになっています。
ここからは現在の問題を片付けていくことになるでしょう。
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