登校編完結(4~6話あとがき)

◆登校編


「放課後のタルトタタン~穢れた処女と偽りの神様~」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054954440294


 登校編完です。


 ここだけ見るとホラーですね。少女が好奇心に負けて異界へと足を踏み入れてしまい――という。見るなのタブーもやってますし。


 個人的には童話の『赤ずきん』とか映画版の『サイコ』をイメージしていました。つまり、ここで主人公が――という。まあ、わかりませんけどね。


 導入部のパートなので見せ方には悩みました。その結果、採用したのが短編でいつもやってるようなパラレルな構成です。


 あんまりもったいぶってもなあという設定でもあったので、見せ方勝負です。


 以後の物語はここで語られた設定を元に展開していきます。


 話としては一区切りついたので、ここからは1日1話ずつの更新になります。


 そんなわけで各話について軽く。



◆4話「未知との再会」


 タイトルはスピルバーグの『未知との遭遇』から。われながら、うまいタイトルでした。


 ここにきて前回とほぼシームレスにつながる回となっています。ただ、ほどほどに読者を焦らす必要も感じたので知佳の性格を示唆するようなくだりを入れてみました。


 2話の解説で、知佳は巻き込まれがたの主人公だと言いましたが、半分くらいは自分から首を突っ込んでます。作者が「ほれ、気になるだろう? 気になるだろう?」と煽ってるのでしょうがないんですけどね。


 彼女の中の冷静な部分は「やめとけやめとけ」と警鐘を鳴らすわけですが、好奇心には勝てません。


 ここで登場するキャラも造形にはかなり悩みました。とにかく、主人公を翻弄する存在でなければならない、と思ったのでこういう展開にしています。



◆5話「オール・ザ・キングスメン」


 タイトルは同名の映画から。さらに元ネタをたどると、マザーグースです。前回、言及された「ハンプティ・ダンプティ」の歌ですね。王様のすべての部下と馬を集めても、ハンプティ・ダンプティを元には戻せなかった、というやつです。


 この回は別になくても話が進むんですが、なんとなく思いついて入れたらこの方がいいなと。


 ここがないとちょっと淡々としすぎるかなと思ったんですよね。二人の出会いをより印象付けたい、というのもありましたし。吊り橋効果ってやつですね。


 プロット上の役割は薄いんですが、前回からのヒキとか、謎かけとか、細々としたことをまとめて処理する目的で書いてます。


 ここで知佳がキレますが、平手ではなくグーで殴り抜く可愛げのなさがポイントです。



◆6話「冬の怪談」


 序盤の伏線を一気に回収していく回です。


 冒頭の*のカウントダウンで、ここが山場だぞという感を演出しているのですが、どうでしょう。


 既出の台詞が多いのでそこは斜め読みされる前提で、フラッシュバックの方に新情報を織り交ぜてみました。


 まあ、ここは知佳の心理描写としても自然ではあるかなと。この時点では謎が多いのですけど。

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