小説を書いているという実感の話

◆進捗


 今回は前置きなしで進捗報告です。


 前回がだいたい5万字でしたが、そこから1万字積んで6万字強となってます。


 まあいいペースですね。


 いまは第二部の前半をまとめて作業しているところです。

 ほとんど書き上がってるエピソードもあれば、内容を再考してるエピソードもあります。そこがざっくり埋まったら前から順番に仕上げていくことになるでしょう。


 ただ、執筆とは行きつ戻りつするもので、第一部にちょっと手を入れたいなあとも。


 そんな大胆な書き直しとかはないんですが。



◆長編のテンポ


 何せ長編は初挑戦なので手探りなのですが、やはり思い悩むのが構成のテンポだったりします。


 なにせ設定や伏線が多い話です。

 プロットの時点で、それらをストーリーの中で自然に消化できるよう腐心しており、あとは細部を詰めればほとんど自動的に書き上がってしまうエピソードも多いです(プロットの時点で2000字を越えるエピソードもあったりするので)。

 それもあってサクサク進んでいるのですが――


 逆に言うと、プロットの時点ではほとんど情報量がないエピソードもあったりします。

 そういうエピソードがなぜ必要かというと、うまく説明できません。

 もちろん、後付けでフラグや伏線を仕込みはするのですけど、そもそもそのエピソードを必要と考えた最初の理由というのはたぶんに感覚的なものなのですよね。


 あえて言葉で表現するなら、プロット上は不要なものの、ストーリー上は必要なエピソードなんですよ。

 なくても話は理解はできるものの、それがないとテンポが一本調子になってしまったり、描写が不足しているように感じてしまう。そんなエピソードです。


 そういうエピソードはプロット上ざっくりした指定しかなく、具体的に何をどう書くかっていうのは執筆の直前になって考えなければならないわけです。


 なまじ、それ以外のエピソードがかっちり流れが決まっているだけにその自由度の高さに戸惑ってしまうのですね。

 いちおう、仕込めそうな伏線や主題の補完、他のエピソードとの対比などネタ出しするんですが、具体的に詰めきるのがむずかしいです。

 気づいたら、キャラがだらだら話してるだけになってしまいます。


 ただでさえ説明が多い話なので、もっとこう……描写に筆を割きたいのですけどね。何を描きましょうと。

 そこでまたゼロから作品を構想するような苦しみを感じているという話です。


 それと、やっぱり話数は増えますね。遡って、第一部も1話増えそうです。

 それもやっぱり、実際に書いてみて何かが足りないと感じるためです。

 その足りない部分を埋めようとしたら話数が増える。


 それがテンポ的にどうなんだろうと。

 やっぱり長編の経験がないので悩むわけです。経験があっても悩む部分なのかもしれませんが。


 繰り返しになりますが、プロット上は必要ないわけですよ。なまじ、その辺ガチガチに詰めて常に話が前進していくように構成しているため、いざ執筆する段階になって微妙なさじ加減に苦労しているというか。



◆キャラクター小説の作り方


 やっぱり悩ましいのがキャラの部分ですね。

 キャラっていうのは、プロットの行間なんですよね。それを読み取って言語化していくのが執筆の大きな役割のひとつだったりします(もちろん、これはあくまで自分のやり方だとそうなるという話です)。


 なので、いまそこで悩んでいるのは当然と言えば当然で、想定の範囲内のことではあるのですが、やはり慣れないのでなかなかしっくり来る書き方ができないなあと。

 キャラの描写として必要十分なさじ加減というのがわからなくて四苦八苦してます。

 先述したようにただ駄弁らせるだけなら簡単なんですけどね。


「放課後のタルトタタン(仮)」は主人公の視点で一貫した話なのですが、主人公の心理描写を極力抑えてテンポよく進めたいとも思っていて、それゆえプロットの時点では主人公の動機とか行動原理があまり見えなくなってたりします。

 そうした主体性のない主人公の成長を描きたい話でもあるのですよね。なので、特に前半部はそういう流れになっています。


 ただ、書いてみるとやっぱり感情移入させるための段取りみたいなものがほしくなってくるもので、そこが悩ましいところです。


 と、悩んではいるのですが、一方でほっといてもキャラが立ってて動かしやすいキャラもいたりします。

 むしろこれ以上目立つな、メインキャラが食われるという。

 脇役はそうなりがちなんですよね。


 なので、逆にメインキャラの魅力を引き出すような演出をまた考えなくてはならなくなり――

 まあ、そう考えると、悪いことではないです。そういうキャラがいなかったらもっと低い次元で妥協していた可能性が高いので。

 ライバルがいてこその切磋琢磨です。脇役に負けるな。


 長期的なキャラの印象管理ってやっぱり経験がなくてむずかしいんですけどね。伸び代しかないよ、ってやつです。



◆まとめ


 今回はずっと悩んでる話でしたが、実は悲観はしてないんですよね。

 むしろようやっと小説を書いているという実感が出てきたなと胸を撫で下ろしているところだったりします。


 第一部はすでに書き上がっている部分も多く、その流用で文字数を増やしてきたのですけど、第二部でとうとう未踏の部分に入っていき、そこでようやく、執筆について考える機会を得られたという感じです。


 苦戦してはいますが、それだけ得るものも多いですし、アイディアもあるのでまた文字数を積んでいけるかなと。

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