VRゲームにてハズレ職「召喚士」を引いてしまった主人公。できるのはペットを召喚できるだけ…だが、彼女の前に現れたのはリアル世界で亡くなったかつての愛犬だった!しかも鋼鉄・メカニカルでロボットな体へと姿を変えて!
これだけで興味をひかれるんですが、その愛犬コタロウが可愛い!
メカで光って火花を散らす、無敵の肉体を持っているにも関わらず…中身はご主人様が大好きな愛犬のまま。それがどこかシュールで、クスリとした笑いが漏れてしまいます。
一緒にゲームを始めてくれた親友との掛け合いも軽妙で、ふたり+一匹(一体?)がどんな冒険を繰り広げるのか、ほほえましくも楽しみです。
犬好きのかた、ペット好きなかた、ぜひ!
愛犬だった『コタロウ』を亡くした悲しみを紛らわせるかのように、VRMMORPG『神器オンライン』の世界に足を踏み入れた『犬飼鈴』。親友の『はーちゃん』こと神先遥と共にファンタジーMMOをプレイするため、鈴は『召喚士のリン』となって冒険していくことを選ぶ。そんな彼女が召喚したのは、かつての愛犬ソックリどこか、コタロウそのものとしか思えない犬で――。でも明らかにカッチカチで!?
成長するステータスやスキル、アイテムやクエストなどなど、ひとジャンルを築いている『MMORPGモノ』としての基礎や土台が、シッカリと固まっている印象の作品でした。世界観や設定や戦闘シーンなど、どれも安定感があります。
その中でも特に大きな特徴として、リンとハルカの掛け合いがほのぼのとしており、ゆるふわコメディといった感じで癒されます。
愛犬のコタロウと一緒に冒険するという部分にもオリジナリティがあり、しかもそのコタロウは単なるモフモフペットではなく、明らかに『アレ』でカチカチで超頼りになって――と、かなり尖った個性が発揮されており、非常に面白かったです。
ただ、コメディやギャグというのは、作者のセンスと読者の好みが上手く噛み合うかどうか、そこも結構重要なポイントになると思います。
本作は抱腹絶倒のギャグやキレッキレのツッコミがあるわけではなく、個人的には自分の好みにガッチリとハマるほどではありませんでした。
更にコタロウ以外の要素は、MMOモノとして既存作品との大きな違いや、差別化が図られている印象もしなかったのです。なので人によっては「ありきたりな内容で、女子トークもギャグセンスが高いわけじゃない」と感じてしまうかもしれません。
とはいえ、可愛い女子二人と一匹の愛犬、ついでにクマ(!?)との緩い日常やコメディといったものが好きな人には、オススメだと思います。彼女達のドタバタで和やかな冒険を見守って、癒される作品に仕上がっています。