第5話 俺とエレナさんの秘密
目を覚ますと横になっていた。しかも、なかなかに温かい布に包まれている。
「あれ。起きたんだね」
「おはようございます……」
右腕を確認しなくても分かる。失くなっている。残った腕の筋肉を使って上げてみるが、やっぱり失くなっている。紛れもなく事実だ。
「無事に終われなかったからご褒美は無しだね」
「分かってる」
「けど、いくつか教えてあげるよ」
「何を」
「私とレイくんのことを」
「俺?」
「そう、まずは私から。私の力は契約する能力を持ってて、その能力は──」
契約は物体だけしていなかったが、試験的に俺に契約をしてみたらしい。作用副作用が気になっていたみたい。そこでジェイスが契約していたことに驚いたのは納得がいく。
その驚きにはもう一つあり、能力を使うには代償がいるらしい。エレナさんは契約の代償で残りの寿命があと1年だと。かなりの無茶をしてきたことが分かる。
対して俺は、不死身の身体に未来予知、基礎能力増強があるらしいが、能力発動が無意識状態でも勝手に発動してしまうらしい。だから、あの時に何かがやばいと感じたのかが分かる。ただ未完成だっただけだ。
そして代償が、何かを失うことだと。今回は右肘より下の腕だった。運が悪ければ死んでしまう可能性は大いにあり。
「最後に」
「まだあるのか」
「あの犯人はね、実は私の使役している使い魔なんだよ」
「つまりは試したかっただけってことかよ」
エレナさん。何を考えているか分からねぇ。それでも悲しんだり心配したりと様子が伺えない。悪魔だ。でも、俺はそんなエレナさんを意識してしまう。
「ごめんね」
エレナの契約者 時雨色 @sigure_iro
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