第22話 周辺の浄化と王都へ

 鉄板で焼くのもお手伝いしようと思ったら、やめてくださいって止められた。焼くのくらい出来るのにね~。仕方ないので、配る方のお手伝いをする。


 とはいえ、ここでも冒険者達や街の人達が手伝ってくれるので、私がやる事はほとんどなかったりする。


「サラ様、どうかしましたか?」


「ふふっ、みんながやってくれるのでやる事がなくなっちゃいました」


「あぁ、みなさんあのスープの件で、サラ様のお役に立ちたいって言ってましたからね」


「えぇ!? そ、そうなんですか?!」


「それだけあのスープは凄かったですね」


「くっきーにポーションじゃあんなに治らないって言われたんですが?」


『そうくまよ~』


「そうですね。私も凄く驚きましたから……」


「そ、そうなんですね。今度から冒険者達のポーションがスープになる?!」


『サラ、何かがおかしいくま』


「うん、だよね。私も言っていてよく分かんない」


「王都に帰ったら検証しましょう」


「そ、そうですね……」


「今日はここの周辺を1周したので、明日は更に大きめに1周回れたら回って、明後日王都へ帰ろうと思います」


「そうですね、分かりました」


「レイナが今門を作り直す手配をしてくれているので、それが終われば明日出発出来ます」


「分かりました!」


 今日は宿屋に泊まる事が出来たので、ベッドで眠れる。お夕飯を食べてから宿に4人で向かう。お部屋に入ると、くっきーにクリーン魔法を掛けて貰って、ベッドに入る。


「今日はベッドで眠れてよかったね」


『そうくまね』


「ふふふ、今日もくっきーを抱っこして寝ちゃうんだ~!」


『くふふ、嬉しいくま~』


「明日はまたくっきーに乗せて貰う事になるけど、お願いね」


『任せるくまよ!』


「ふふっ、頼りにしてるよ~!」


 くっきーを抱っこしてむぎゅむぎゅすりすりしておやすみなさい。



 ぐっすり寝て今日は元気いっぱいだ。やっぱりベッドで眠れるってすごいんだね!


「くっきー、おはよう!」


『サラ、おはようくま!』


 くっきーにお着替えを出して貰って、出掛ける準備をしてから食堂へ向かう。朝ごはんは断っておいたので、ジークさんとレイナさんと合流したら出発する。


 門番さんに門を開けて貰って街を出る。大きくなったくっきーの背中に乗って今日は更に大きく外周を周る。ドロップ品もくっきーが収納しながら走っていく。


 途中、休憩も入れながら外周を周っていく。途中で、やっぱり魔石があったので、それも回収していく。これでここら辺は大丈夫だろうか?


 大きく外周をして街に戻ったらもう夕方だった。宿の部屋に入る時にジークさんとレイナさんにお肉を挟んだパンを渡してから部屋に入る。


「さて、私達もパン食べようか」


『そうくまね~』


「また王都に戻ったら沢山作り貯めておかないといけないね~」


『確かに必要くまね。後は食材も少し買わないともうなくなりそうくまよ』


「そうなんだよね。でもあんまり買い過ぎちゃうと、サントーンとかフローリアとか周辺の街に運ばれなかったら困るよね」


『聞いていて大丈夫な分を買ったらいいくまよ』


「それいいね!」


 パンを食べながらお話をして、クリーン魔法を掛けて貰ったら今日も早めにお布団に入る。


「明日は王都に帰るね」


『そうくまね。なんだか長かった気がするくまよ』


「そうだよね~。私もなんだかすごい王都に帰ってない気がするもん」


 今日もくっきーを抱っこしておやすみなさーい!



 朝起きてから、くっきーにお着替えを出して貰って着替えてから食堂へ向かう。食堂でジークさんとレイナさんと合流して宿を出る。


 いろいろな人に挨拶をされた。ここでもみんな笑顔で見送ってくれるのでとても嬉しいね。ついでにお醤油を大量に買わせて貰った。お金はいらないと言われたけど、さすがに大量だったのでお金を払ったよ。


 フローリアの街を後にして、大きくなったくっきーの背中に乗って王都へ向けて出発! まだ魔物が居たみたいで、ドロップ品をくっきーがアイテムボックスに仕舞いながら進んで行く。


(ふふふ、お醤油ゲットだよ。嬉しいなぁ……何を作るか迷っちゃうなぁ)


『サラ、どうしたくま?』


「ん? ……よく分かったね」


『くふふ。なんとなく感じるくまよ~。今度は何を作るくま?』


「お醤油を買えたから、何を作るか悩んでたよ」


『昨日のお肉美味しかったくまよ』


「うん、お醤油で焼くと香ばしい香りがして美味しいんだよね!」


「サラ様……それはお腹空いちゃいます」


「ふふっ、そろそろお昼ごはん食べましょうか!」


『食べるくまー!』


「はいっ!」


 くっきーに止まって貰って、お昼休憩にする。今日のお昼ごはんは何にするのかな?


「くっきー、お昼ごはんはどうする?」


『今日はこれくま! スープとお肉を出すからパンに挟んで食べたいくま~!』


「うん、そうだね!」


 くっきーが出してくれたので、ご飯の準備をして一緒に食べ始める。


「サラ様のお料理は本当にどれも美味しいですね~」


『そうくまね!』


「帰ったらまた色々作っておこうね!」


「本当にサラ様のお料理はどれも美味しいです」


 そういえば、浄化はまだ終わってないけど、後はどこだろう?


「王都に一度戻ってから次はどこに行きますか?」


「そうですね、後はコーラルの街を見ていないので、そちらの確認に行きましょう!」


「わわっ、まだ街があったのですね! 気を抜いてちゃダメでしたね」


「サラ様、すぐに行けない所なのですから、息抜きも大事ですよ」


「レイナさん、ありがとうございます。でもサントーンの街もフローリアの街もあんなに沢山の魔物が居たことを考えたら……早く行きたいですね……」


『そうくまね。サラは落ち着かないくまよね』


「うん……」


 行けないものは仕方ないけれど、なかなか割り切れない……でも、明日には行くんだから頑張ろう。


「サラ様。今日は宿でゆっくり休んで、明日急いで向かいましょう」


「うん、ジークさんありがとうございます」


「今日は一緒に宿で美味しいもの食べてゆっくりねましょうね!」


「ふふっ、レイナさんもありがとうござます!」


 うん、みんなのおかげでちょっと気分が楽になった。私は出来る事を頑張るって決めたんだから、今は出来る事はない。明日、コーラルの街へ着いたら頑張るんだ!


 その後少しして、王都に着いた。くっきーの背中から降りて、小さくなったくっきーを抱っこして王都に入る。宿に行こうとも思ったけれど、食材を買っておかないとコーラルの街で何があるか分からない。


「あの、食材を補充しに行ってもいいですか?」


「あっ、そうですね! 一緒に行きましょう」


「私は王宮に戻って報告してきますので、レイナ後を頼む」


「はっ!」


 ジークさんは王宮に戻って行った。レイナさんと私達は食材を買いに行く。もう夕方に近いので新鮮な物はあんまり残っていないだろうけれど、色々と補充出来たらそれで良いかな。後パンも買っておきたいな。


 目に付くものを色々購入していく。購入した物はくっきーがどんどんアイテムボックスに仕舞ってくれる。小麦粉も牛乳やバターもチーズも補充出来た。後は野菜類も色々と買えたのでなんとかなるかな?


 食材を買った後は、ローズ亭に向かう。ローズ亭でまずはお夕飯をレイナさんと一緒に食べる。今日もここのお夕飯は美味しかった。王都の食材の供給はほとんど戻ったみたいで、ちょっとホッとする。


 お夕飯を食べた後は、お部屋に入る。お部屋に入るとくっきーがクリーン魔法を掛けてくれたので、お部屋着に着替えてベッドに座る。


『サラ、楽しい話をしちゃいけないわけじゃないくまよ?』


「うん、わかってる。だけどね、あの光景が浮かんで……楽しい話をしたら悪い気分になっちゃうんだよ」


『サラは優しいからそう思っちゃうのくまね』


「うん。でも、明日だもん。後はコーラルの街だけなんだから、大丈夫だよ」


『そうくまね。無事でいてくれることを祈るくまよ』


「そうだね。みんなが無事でありますように……」


 私は祈る……コーラルの無事を。誰も死なないで……。


 そう思っていると、私の頭が撫でられた。くっきーが背伸びをして私の頭をなでなでしてくれている。


(ふふっ、可愛い)


「ふふっ、ありがとう。こんな可愛いくっきーにそんな悲しそうな顔させちゃダメだね!」


『ふふっ、サラはぼくのもふもふで癒されるといいくまよ!』


「そんな素敵なお誘い、断れないわっ! ふふっ」


『くふふ。やっと笑ってくれたくま。今日は大きなぼくとむぎゅっとして寝るくまよ~』


「きゃー。くっきー大好き!」


 くっきーは大きくなって私をむぎゅっと抱っこしてくれた。くっきーのおかげでゆっくり休む事が出来た。本当にありがとう!

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