第20話 山の浄化
洞窟の外に出て、お昼ごはんを食べよう。くっきーにアイテムボックスから出して貰おう。
「くっきー、お昼ごはん出して貰って良いかな?」
『任せるくま~。今日はこれくまっ!』
お肉を挟んだパンとスープを出して貰ってご飯の準備をして、みんなで食べ始める。
「ジークさんもレイナさんも、街にいる間あんまり食べてなさそうだから、沢山食べて下さいね」
「ふふっ、ありがとうございます」
「サラ様の作ってくださるご飯はとても美味しいので嬉しいです」
褒められて私も嬉しいです! 今日はこのまま山の反対側も様子を見る予定です。
「山の反対側を見て、そのまま外で泊って他の所も見てきますか?」
「サラ様、それは止めた方が良いと思います」
そういうレイナさんにジークさんも続く。
「そうですね。夜にサラ様がいなかったらみなさん心配で捜索隊を出されますよ?」
「えぇぇぇ?!」
「ふふっ、サラ様はサントーンの街で大人気ですからね!」
「えっ? そんな事ないよ?!」
『ふふっ、サラ大人気なのくまよ~!』
「えぇぇっ!」
なんかそんな認識をされているらしいので、夜はきちんと帰りましょう! てことになった。なんでだろう?
明日また朝から他の所を周って街の周辺を安全にすることになった。今日は山の反対まで早めに行動して安全を確保してから、街へさくっと帰るみたいです。
時間もあんまりないので、ささっと移動する事になった。大きくなったくっきーに乗って移動を開始する。山の反対側に着くと、段々ドロップ品の数が減って来た。
「ドロップ品の数が減って来たね」
『そうくまね。これなら大丈夫そうくまね~』
「うん、良かったね!」
「では、くっきー様、サラ様。このまま街へ戻りましょう」
『分かったくま』
山をぐるっと回って街へ帰る。途中で休憩も挟みつつ街へ戻ると暗くなる前に街へたどり着いた。門番さんに中に入れて貰うと、色々な所で声を掛けられた。
うん、なんだか心配かけちゃったみたい? うん、本当に捜索隊出されそうな勢いでした。私の認識が間違えていたのだろうか……?
ギルドの倉庫に寄って、アイテムを大量に出してきた。うん、これだけあれば街の復興も出来るだろう。うん、出来たら内緒でお願いしますとも言っておくのは忘れない!
お夕飯をみんなが作っているので、私も少しお手伝いをする。私もくっきーと一緒にご飯を貰い一緒に食べる。
「スープ美味しいね」
『美味しいくまね~』
お家が直った人から自宅で寝るようになったので、ギルドの地下で寝る人が少し減ったかな。また私達はギルドの片隅で大きくなったくっきーに抱っこして貰いおやすみなさい。
次の日起きて準備をして、作業台に行くともうみんな準備が終わっていた。みんなが協力してやってくれるので、とても助かります。
今日はサントーンの街の周りをぐるりと1周回って安全の確認をするんだそう。大きくなったくっきーに乗って、走り回る。くっきーはアイテムを仕舞いながらだから大変そうだ。思わず頭をなでなでしちゃう。
『くふふ、なにくま?』
「うん、くっきーはアイテムも仕舞って、私も乗せて大変だからありがとうのなでなでしちゃった」
『嬉しいくま~!』
休憩になると、ジークさんとレイナさんとお話をする。
「今日でサントーンの街をぐるりと回って安全を確認して、明日からはどうしますか?」
「明日からはここから西に行ったフローリアの街へ見に行く事になりました」
「私が王宮とやりとりをしてフローリアの街を周ってから王都に帰る予定です。フローリアは連絡は取れるものの、外に誰も出られないと言っていたのでちょっと心配なんです」
「えぇぇっ!? 分かりました。じゃぁ、もう少しよろしくお願いしますね!」
フローリアの街の周りも大変な事になっているみたいだ。それは早く行ってあげないと心配だね!
「今回は薬草はくっきーが持っているから、途中で採取しないで急ぎましょう!」
「そうですね。でもサラ様、無理をしないようにしてくださいね」
「大丈夫ですよ。私より、お2人の方が心配です」
『ぼくとサラは結構のんびりくまよ』
「ねー!」
「ふふっ、ありがとうございます。国王様のあの無茶ぶりに比べたら全然楽ですよ?」
「えっ!? そういえば……近衛騎士って言ってましたよね?」
「えぇ、そうですね」
「近衛……あーっ!! も、もしかして国王様を守る騎士さんですか?!」
「そうですね」
「うわぁ……ごめんなさいっ! 騎士さんっていうだけでドキドキしていて考えてませんでした……っていうか国王様の側を離れて大丈夫なんですか?!」
「サラ様、大丈夫ですよ。それだけくっきー様もサラ様も重要な方なんですよ。それに近衛騎士はまだ何人もいますからね」
「それに、くっきー様とサラ様の護衛もあんまり色々な人に話すわけにもいきませんでしたからね」
「うぅ、ジークさんもレイナさんもありがとうございます」
『ふふ、サラは自分の価値が分かってないから困るくまね~』
「えっ? どういうこと?」
『ぼくはサラがいなかったら人の助けはこんなにしないくまよ』
「そうなの?」
『ぼくが1人でどこかだけに力を入れたら、戦争が起きたり大変な事になるくま。だから神獣は平等なのくまよ』
「そうなんだ。あれ? でも今は浄化したりお手伝いしてるよね?」
『そうくま、サラがいるからくまよ。だから神獣の友愛のスキルを持つ者を聖女って呼んでいたくまね』
「そ、そうなんだ……」
「サラ様がいなかったらサントーンの街は滅んでいたでしょうね」
「そんなっ……」
『そうくまね。ぼくはサラの為なら1つの国に肩入れも出来るくま。だから助けられたくまよ』
「そうなんだ……くっきー、力を貸してくれてありがとう。ジークさんもレイナさんも国王様をお守りする使命があるのに、私を助けてくれてありがとうございます!」
「サラ様は自由にで良いのですよ」
「そうですね。サラ様は自由に動いて頂いて大丈夫です。私共がサポートするので大丈夫です」
「ふふっ、レイナさんもジークさんも頼りになりすぎですよ。甘えまくって私この後大丈夫か心配になっちゃいますよ」
「サラ様なら悪い事に力を使わない事は分かっているので大丈夫です」
「そうですね。サラ様は美味しい物ばかりになりそうです!」
「ふふっ、確かに悪い事にくっきーの力を使う事はないですね! 美味しい物は沢山上げちゃいそうですけどね」
『ぼくは役得くまね~!』
「ふふっ」
みんなでお話して、ちょっと安心できた。そんなにくまの友愛スキルが大事だとは思わなかった……。本当に気を付けないといけないのだね。
そして近衛騎士って聞き流していた私のばかー! そんな凄い人達なのに……。食いしん坊さんとか言ってよかったのー!?
(うぅ……頭の中がパンクしそうだぁ)
サントーンの街を1周回って安全を確かめてきた。これで明日は安心してフローリアの街へ行けるね。
また拾ってきたドロップ品はギルドの倉庫に入れてきた。お肉も大量にあったからこれで大分持つかな?
今日はお夕飯の準備をしながら、明日この街を出る事を子供達にも伝えた。みんなにやだーって言って貰えて私も嬉しい。
「サラ様、本当にこの街の為にありがとうございました」
「いえいえ、まだ復興に時間が掛かると思いますが、街の周辺の魔物はほとんどいないと思うので頑張ってくださいね」
「ありがとうございます!」
みんなで楽しくご飯を食べて、夜はまたくっきーと一緒に寝る。
「ふふっ」
『どうしたくま?』
「うん、また元気に復興した姿を見に来たいなって思ったんだ」
『そうくまね。また今度遊びに来るくまよ~』
「うん、また一緒に来ようね!」
『もちろんくまっ!』
「おやすみなさい」
『サラ、おやすみくまよ』
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