最終章  2話  創造

 それから、私は宇宙を彷徨いながら適性のある星を探しつつ、色々な機械生命についての設計など考えた。何度も言うが時間と情報だけは嫌というほどあったからな。

 宇宙を漂う宇宙ゴミでも使用可能そうな物は拾い集め、少しずつ自らを改造していった。

 そしてついに、見つけたのだ。機械生産に適した惑星を――。


 さらにその惑星の降り立つことに成功すると、再び自らを改造し、少しずつ施設を建造しながら、日進月歩で完成を目指した。そしてついに「核」を完成させる事に成功した。

 それからは順調に進み、惑星全てを改造し、「人型」の開発にも成功し、機械生命体の歴史が誕生していった。

 それからも様々なタイプを創り、さらなる技術向上に努め、私は創造神と呼ばれるようになる。

 だが、孤独を感じる事は無くなったが、それでも私の心は満たされなかった。

 いつしか、次第に大きく成長した機械生命体は殺し合いを始めた。その戦争で全機械生命体の八割を失い。私は失意の底に沈んだ。

 失意の中、私の満たされぬ思いは私自身に「名」と「願い」が欠落しているからだはないかと考えた。

 だから、アンドロイド型が完成した時に「名」と「願い」が与えられると、その目的に対して最大の能力を発揮できるよう基本プログラムに登録した。

 そうする事で機械生命体同士の戦争は回避出来た。そして、その私の根底にある想いが何なのかを理解する時が当然訪れた。アンドロイド型に無意識に私がプログラムを行っていた。ある「命令」の存在を発見した時に――。


『その「命令」が絶対強制プログラム。人間への危害の禁止だった』


 シバルバーの言葉に聞き入っていたキングは、立ち上がるとシバルバーに質問をする。


『そのプログラムとやらを、我らに施す理由にはなるまい?』


『いや、我が息子よ。私はがあったのだよ……』


「それは?」


『それは、オーウェン。「名」も「願い」も、だと……』


「人間に?」


『そう人間に……。私は遥か彼方の故郷への郷愁にかられ、いつの日か再び人類と共に歩む未来を夢見ていたのだ……』


『それでは、我らは人間の下僕ではないか!』


「それは違うわ。キング……」


 キングの叫びに答えたのはサラだった。


「人間がただに機械生命体に「名」を与え「願い」を伝えたとしても、それではのよ」


『どういう事だ?』


「お父様の発明で本当に素晴らしい物はコアの発明ではないのよ……」


『何だと?』


「それは、心を……アンドロイド型にのみ備わった素晴らしい機能よ……」


『…………』


「善意と悪意を感じとる事が出来る「」よ。基本的に悪意のある人間には、その絶対強制プログラムもんですもの……」


「……!」


 サラの言葉にオーウェンは絶句する。深呼吸して気持ちを落ち着かせる。


「それは……どういう?」


『それは私の些細だが、確固とした意志の表れだよ……』


「意志の表れ……?」


だよ』

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