第315話 反省会

「2人とも疲れたら代わるからー!」


「レベル上げになってちょうどいいから代わらなくていいわよ!」


「久しぶりにレベル上げになっているので、しばらくは交代しなくて大丈夫ですよ」


そういえば、俺は魔族を倒してレベルを上げることができたけどソフィは最近全くレベルが上がっていなかったな。ずっとレベル上げはシャナとキャリナが中心だった。



「俺の出番はないかも……」


2人が魔物を倒すペースの方が、新しい魔物が現れるペースよりも早い。このままいったら魔物は少なくなるだろう。

それから2人は連携はしていないが、お互いに邪魔をしないように戦い続けた。それからも俺が倒したムカデのような大きな魔物が再び現れることははかった。





「ん…今何時?」


「今は5時だよ」


「…寝坊した」


シャナが5時ちょっと前に起きた。ちなみに、キャリナはまだぐっすりと眠っている。

ソフィとエリーラの2人が戦い始めてから5時間弱が経過した。今はもう朝になりかけているので、魔物の数はかなり少なくなっている。

いや、3時過ぎくらいから魔物の数は一気に減った。きっと2人でこの辺にいる魔物はほとんど倒してしまったのだろう。



「もう回復した。だから戦える。それに、今の数なら私一人でも大丈夫だと思う。一応サポートはよろしく」


「わかったよ。ソフィ!エリーラ!すぐにシャナと交代!」


「わかりました」


「わかったわ」


見た感じではシャナの疲労は回復している。もちろん完全回復とまではいかないが、今の魔物の数なら戦うことに支障はほとんどないだろう。


「もう薄明るくなってきたので、光の強さを弱めますね」


「さすがに疲れたわ。少し休んでるから何かあったら呼んで」


「了解」


ソフィとエリーラは俺とすれ違う時にそう言ってきた。





「シャナ、魔物の種類ががらっと変わった。だからこれで夜の狩りは終わりだ」


「……レベル上がらなかった」


魔物の出現率が半分以下になって倒す数が減ったからか、出現する魔物のランクが少し下がったからか、シャナはあと1レベルが上がらなかったそうだ。


「今から少し奥の方に行って魔物を…」


「さっき起きてからだってもう2時間戦い続けてるんだから、とりあえず休みなさい」


「…ん」


もう朝になっているので、俺の結界もソフィの明かりも解除した。あとはキャリナを起こして朝食と反省会だな。



「キャリナ、起きて」


「ん…あっ!寝てました!今何時ですか!」


「7時過ぎだよ」


「あっ…ごめんなさい…」


キャリナは狩りが終わるまで、というか起こされるまで寝ていたことに謝った。


「かなり疲れただろうから全然大丈夫だよ」


それからは朝食の準備をしてみんなで食べ始めた。



「まず、スケジュールに無理があった事が一番の問題だよね」


そして、予定していた反省会が朝食との同時進行で始まった。


今回のスケジュールミスの原因は魔物の数が想定よりも多かったことだ。ただ、それを気付いた時点ですぐに修正するべきだった。



「それと、途中から魔物が減ったのも問題だわ」


エリーラの言う通り、途中から魔物の数がかなり減った。これが近くに魔物が居なくなったのか、この深林で魔物が居なくなったかで話はだいぶ変わってくる。この深林はかなり広いので、多分光に寄せられ来る範囲で魔物が居なくなったのだろう。次の日になれば魔物の数がどうなっているかは確認しないとわからない。もし少なくなっていたらここから移動しなければならないかもしれない。



「そこまで強い魔物も出なかったから、やっぱり狩りは夜にしたいと思う。もちろん、スケジュールは変えるつもりだけど、それについてはみんなどう思う?」


この案にはみんな賛成だった。シャナやキャリナだけではなく、やっぱりソフィとエリーラもレベルを上げたいから交代制にしてでも夜の狩りをしたいとの事だった。

その後にみんなで話し合って、シャナとキャリナの2人は19時から23時と3時から7時まで、俺とソフィとエリーラはそれぞれ交代しながら23時から3時までやるというふうに決まった。




「ん??」


朝食を食べ終わって、3日に1度のベクアから貰った水晶の確認を行った。すると、水晶が点滅していた。どうやらベクアから通信があったみたいだ。

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