第176話 新たな種族

「ん゛……ん?」


「お兄ちゃん!起きた!?」


「ソフィ…おはよう。ここは?」


「ベットの上だよ」


「そうみたいだな」


目が覚めると、俺はベットの上で眠っていた。そしてその横ではソフィが椅子に座り、心配そうにしていた。3日くらい眠ったのか、記憶が曖昧だ。どうしてここで俺は眠っているんだ?



「あっ!ソフィ!魔族は!?」


全てを思い出した。俺は魔族達に気絶させられたのだ。


「私が起きた後にはもう居ませんでした」


「そうか…」


ソフィが起きた時には、魔族達はおろか、魔物たちの姿も全くなかったそうだ。そして俺はなんと1週間と4日…つまり、10日間も寝ていたようだ。


「エリーラは無事か!?あと、エミリーさんやティヤさんやジュディーさんは!?」


「ちっ…ゼロ兄様落ち着いてください。今回の魔族達の一件での死者は、調子に乗って指示を無視して魔物に突っ込んだ若者2人だけで、あとはみんな無事です」


「なら良かっ…良かったのか?」


これのせいで死者が出たようなものだから良かったのだろうか?でも調子に乗って指示を無視した奴らが悪い気もする。それとソフィ舌打ちしなかった?


「それであの白髪の魔族はどうなったんですか?」


「ああ…それはな…」


ソフィが言っている白髪の魔族とはリュウのことだろう。リュウの容姿は純白の綺麗な腰まであるストレートロングヘアで、瞳は金色の蛇目で鋭い目だった。身長は160後半ぐらいで、今の俺とそんなに変わらなかった。どこか一貫して怖そうな雰囲気だったが、時々垣間見れる妖艶さが……


「…ゼロ兄様」


「ああ」


ソフィが少し睨みながら声をかけられた。急に言葉を止めたから怪しまれて当然だろう。そこからはちゃんと何があったのか詳しく話した。




「ご、ごめんなさい…ゼロ兄様…私が着いていながら…1人で戦わせて…」


「いや!いいよ。今回は正直相手が悪かったしさ」


話終わると、ソフィは泣きながら謝ってきた。突然のことでびっくりした。今回はソフィが謝るようなことは何もないので、すぐに慰めた。


「ですが…」


「俺は妹のソフィを守れてよかったと思ってるよ」


「私はそれが嫌なんです!」


そう言いながらソフィは急に立ち上がった。


「私はお兄ちゃんを守りたい!お兄ちゃんに守られたくなんかない!」


そして感情的にそう言った。今のソフィは俺が勝手に何ヶ月もいなくなって溜まっていのが吐き出されたという感じだ。だからこそ俺は落ち着いて話し出した。


「ソフィは遠距離と近距離どっちで戦う方が得意?」


「…遠距離です」


「俺は圧倒的に近距離の方が得意だ。お互い得意分野が違うんだから、兄妹でできない所を助け合おうよ。今回は相手が近距離が得意だったから俺が相手しただけ。今度遠距離が得意の敵が出てきたらソフィが助けてよ」


ソフィの言いたい気持ちも分かる。俺も兄としてどんな場面でもソフィを守りたいと思っている。でも、俺が魔法のみでソフィを超えることはできないだろう。雷を除けば…だが。変なところで意地を張ってお互い足を引っ張り合うよりも、助け合った方がいいとドラゴン魔族と戦いながら思っていた。正直ソフィの助けがなかったらドラゴン魔族には勝てていなかっただろう。


「………わかりました」


ソフィは言いたいことは理解したけど、納得はしていません…とでも言いたげな不服そうな顔で再び椅子に座った。




「それでゼロ兄様は何の種族に進化したのですか?」


ソフィはさっきまでの緊迫した雰囲気が無かったかのように普通に話しかけてきた。


「そういえば何に進化したんだろう」


「ゼロ兄様の種族を教えてくれたら私の種族も教えますよ!」


「え!いいの!?」


「はいっ」


俺はソフィの種族がとても気になっていたので、それは嬉しい。そんな気分のまま心の中でステータスと唱えて、新たなステータスに期待を膨らませながら見た。











【名前】 ゼロス・アドルフォ

【種族】  雷獣精人王

【年齢】  13  

【レベル】 1


【HP】   2760/2760 (606UP) 

【MP】   2760/2760 (606UP)


【攻撃】  1370  (394UP)

【防御】  1196  (286UP)

【敏捷】  1531  (243UP)

【魔攻】  1246  (359UP)

【魔防】  1196  (516UP)

【知力】  958  (219UP)


【スキル】

・算術Lv.1(Down)・礼儀作法Lv.1(5Down)

・騎乗Lv.1(2Down)・解体Lv.1(5Down)

・投擲Lv.1(2Down)・隠密Lv.1(7Down)

・忍び足Lv.1(7Down)・夜目Lv.1(4Down)

・殺気Lv.1(4Down)・挑発Lv.1(7Down)

・火魔法Lv.1(9Down)・風魔法Lv.1(9Down)

・水魔法Lv.1(9Down)・土魔法Lv.1(5Down)

・回復魔法Lv.1(5Down)

・詠唱省略Lv.1(6Down)・無詠唱Lv.1(2Down)

・火耐性Lv.1(6Down)・風耐性Lv.1(5Down)

・水耐性Lv.1(6Down)・土耐性Lv.1(3Down)

・氷耐性Lv.1(3Down)・打撃耐性Lv.1(5Down)


【ユニークスキル】

・危機高速感知Lv.1(New)・剣法Lv.1(New)

・武法Lv.1(New)・読心法Lv.1(New)

・氷魔法Lv.1(9Down)

・光魔法Lv.1(6Down)・精霊使いLv.1(New)

・雷電魔法Lv.1(New)

・魔力高速操作Lv.1(New)

・魔力高速感知Lv.1(New)

・雷吸引Lv.1(New)・雷電纏Lv.1(New)

・雷詠唱無効Lv.1(New)・完全偽装Lv.1(New)

・エンチャント・ダブルエンチャント

・魔力斬りLv.1(New)・雷縮Lv.1(New)

・多重思考Lv.1(New)



【エクストラスキル】

・【称号】収集・神速反射Lv.1(New)

・神雷Lv.1(New)


【選択称号】(41/50)

・転生者

・早熟

・晩熟

・獣鎧

・元神童

・下剋上

・二刀流

・避雷針

・九死一生

・一騎当千

・百戦錬磨

・前代未聞

・以心伝心

・霹靂閃電

・電光石火

・疾風迅雷

・紫電清霜

・電光雷光

・翠色冷光

・紫電一閃

・雷轟雷撃(New)

・雷霆万鈞(New)

・雷騰雲奔(New)

・電光雷轟(New)

・俯瞰の目

・希少魔法使用者

・最上位精霊使い

・精霊王使い

・精霊に愛されている者

・精霊をその身に宿す者

・シスコン

・へたれ

・ドラゴンスレイヤー

・虫の天敵

・魔王に目をつけられた者(New)

・魔王の伴侶(仮)(New)

・雷の種族(New)

・新たなる種族(New)

・複数の種族を併せ持つ者(New)

・神スキル取得者(New)

・神スキル複数取得者(New)


【除外称号】

・ゴブリンキラー・ウルフキラー・オークの天敵

・不眠不休・スキル統合・死亡フラグ一級建築士

・合体魔法・三度目の正直

・精霊を2人その身に宿す者


【神からのメッセージ】

一度進化先の選択肢に出た種族には進化できないから、心優しい私はこんなに選択肢多いのに1つに絞って進化するのはもったいなぁ〜って思ったの!

だから相性が良かった【雷人】【雷人王】【精人】【雷精人】【精人王】【雷人獣】の系6個を合わせて新しい種族を作ったの!そして、ついでに称号数の上限も伸ばして、よく使うスキルを進化させたの!偉いでしょ!凄いでしょ!褒めてもいいよ!

でもちょっと無理しちゃってみたいで、進化しなかったスキルのスキルレベルが全部1になっちゃった!あと、本当ならあの魔族を殺した分の経験値の余りが進化したあとすぐに30レベルになれるくらい溜まってたのも全部使っちゃった。てへっ!それでも足りなかったから当分レベル上がらないかも!

ご・め・ん・ね・♡





「………なんじゃこりゃ〜〜!!!」


俺は自分のステータスを見ると、大声でそう叫んだ。


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