第119話 実験
「よしっ!やるか!」
今日は午前中の早いうちにテストのみで学園に登校しなくて良くなる書類をソフィとシャナと一緒に提出してきた。ちなみに別に登校してはいけないということは無い。時々クラウディアさんに魔法を教えに行こうかな?それで今日はこれから色んなことを家の庭で実験をする。
「まずは…この玉だよな」
俺はポケットから2つの玉を取りだした。この玉は俺のマジックポーチに入れようとしたが入らなかったので、仕方なくポケットに入れている。
「ほいっ!」
ぴたっ!しゅんっ!ころころ…
「5mくらいかな?」
玉を投げると、俺から直線距離で5mほど離れると急に玉は空中で停止して俺の元に転移で帰ってくる。
「とりあえず箱に入れてやってみるか」
今度は箱に玉を入れて箱ごと投げてみた。
「それはこうなるのか…」
すると箱から転移して玉だけが帰ってきた。箱はそのまま投げた勢いのまま飛んで行った。
「じゃあ今度は紙で包むか」
軽ければ一緒に転移してくるかを試すために今度は紙に包んで投げてみた。
「それはそうなるのね…」
今度は紙と一緒に転移して帰ってきた。
「ちょっとソフィこの玉持ってて」
「はい」
次に試したいことの準備のために玉を一旦ソフィに預けることにした。預ける瞬間に俺以外の人にこの玉は渡せないことを思い出した。
「あっ…え?」
「??」
しかし玉はソフィの手に渡った。あれ?どうなっているんだ?
「いっそこのままソフィにあげようk……」
このままソフィにあげようかなと言おうとしたら玉はソフィの手から消えて俺の手の中に収まった。あれ?俺は手を開いてたよね?どうやって閉じさせたの?
「もしかして言葉わかるのか?」
それとも感情が読めるのか分からないがどうしても俺から離れる気は無いようだ。なんか少し可愛く感じてきてしまった。
「ごめん、もう一度持っててくれる?」
「は、はい」
もうソフィにあげるなんてことを全く考えずに渡すと一瞬俺の手から玉は離れなかったが、のちにソフィの元へ移った。
「よしっ!やるか!」
それから俺は魔法で手の平より少し大きいくらいの石に玉がハマるくらいの窪みを作った。
「ソフィちょっと貸して」
「はい」
ソフィから返してもらった玉をその窪みにはめて投げてみた。
「触れる面積の問題なのか?」
今度も石と一緒に俺の元へ転移して帰ってきた。
それから少し大きなものや重いもので試したが、直径3m以内かつ100kg以内で玉の半分以上接していた時に一緒に転移して帰ってきた。だがあくまでこれは家の中にあったもので試しただけなので詳しいことはまだ分からない。ちなみにソフィが握ってても5mすれば玉だけで転移してきた。きっと生物はダメなのだろう。ただこの玉を武器にはめることができれば5m離れれば自動的に自分の元へ帰ってくる武器ができる。
「雷鎧!よしっソフィお願い!」
「はい!」
今度は雷鎧を発動したまま帯電を使用するとどうなるかというのを実験する。雷鎧で石を削った時に使った魔力は回復させてある。
「轟け!サンダーバースト!」
そして俺はソフィから魔法を食らった。
『ピコーン!』
『帯電Lv.1と雷鎧Lv.1が統合して、雷電鎧Lv.1になりました』
『【称号】スキル統合を獲得しました。』
「なんだと……」
あれだけ頑張って帯電を取得したのに無くなってしまった。しかしスキルが変化したことによって今までの雷鎧よりも纏う雷の量が多くなり、スタミナ消費もすくなった気がする。きっと雷吸収での魔力変換量も上がっていることだろう。 そして称号であるスキル統合の効果はスキルが統合しやすくなるというものだった。特に実感が湧かない虫の天敵を外してセットしておいた。だが次に良い称号が現れたらこれを外そう。
「これは良かったのか…?」
一応新しい称号も手に入れたので良かったとしよう。そんなことより、明日から冒険者のランク上げを頑張ろう!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます