第17話 レベルアップ

『ピコーン!』

『レベルが上がりました』


「よしっ!」


あれからみんなで合わせて10体ほど倒すとレベルが上がった。俺は小さくガッツポーズをした。レベルが上がるのが早すぎるのをバレないためにまだレベルアップは黙っている。


そして喜びに浸りながら次の魔物を倒しに向かった。


「おめでとう」


「…よかったね」


「へっ?」


そして次の魔物を倒し終わると2人からそんなことを言われてしまった。


「な、何が?」


「「レベルアップ」」


ソフィは付き合いが長すぎるのでバレるのは仕方がないと思わなくもないが、シャナにまでバレるとは思わなかった。いや?普通どっちも気付くはずが無いよね?どうなってるんだ?

気にしないようにしながらゴブリンを狩っていると、とうとうゴブリンでは無い魔物が現れた。


「ウルフ?」


オオカミ型の魔物が現れた。今は一体だが、遠吠えで仲間を呼ぶと本で読んだ。


「ソフィ…俺の動きに合わせられる?」


「呼吸よりも簡単にできますよ」


「ならよろしく…風エンチャント」


そう言って俺はウルフに向かって走り出した。ウルフは基本的にピンチだと思った時に仲間を呼ぶ。自分より小さい俺単体だとすぐには呼ばない。


「はっ!」


わざと右に避けやすいように右から左にかけて大振りで剣を振った。


「固まれ!ストーンスピア!」


右に避け始めたウルフにソフィの魔法が飛んできた。ウルフは完全に避けることはできなかったが急所を外す事には成功している。


「させん!」


「…ワォン……」


遠吠えをあげようとしたので首に短剣を刺してトドメを刺した。


「あっ!レベルが上がりました」


「あ、俺も…」


ソフィが少しわざとらしくそういったのに便乗して俺もレベルアップをしたことにした。


「今のは文句もないくらい良かったぞ」


騎士がそう言った。


「では、今から解体の仕方を教える」


魔物の中には魔石というものがある。ゴブリンは小さすぎて討伐証明の片耳だけを取ればいいがウルフは使える魔石が出るらしい。


「まさかEまで狩れるとは思わなかった」


魔物は一般的にS+からE-まである。伝説の魔物とかだとSSSとかがつけられるらしい。しかし特にゴブリンとかは数によってランクが変わるからとてもややこしい。


「うぇ…」


解体が終わった。なんかまだ生暖かい生物を解体するのは日本人としてあまりなれない。


「じゃあ次の魔物に行くか」


そう言って次の魔物を探しに向かった。


「またウルフか…」


ウルフなら俺とソフィなら安定して狩れるかもしれないがそうするとシャナが戦闘に入れない。


じーっ


「どうしたの?」


どうしようか悩んでいるとシャナがこちらを見ていた。


『ピコーン!』

『以心伝心を獲得しました』

『読心術Lv.1を取得しました』


「えーっと…同じように俺が好きにやって合わせてくれるの?」


(こくんっ)


なんか無口かつ無表情のシャナの考えを考えていたら以心伝心の称号を獲得して読心術を取得してしまった。


「風エンチャント」


飛び出して先程と同じように右から斬った。そしてウルフは同じように躱した。


「………」


「っ!?」


するとソフィの魔法の代わりに隠密でも使ったのか急に現れたシャナがウルフの足を刺した。


「燃やせ!ファイアボール!」


「キャンッ!」


そして俺は足を急に刺されたことに驚いたウルフの顔に至近距離から魔法を放った。俺はソフィのようなスピアは使えないからボールにした。


「それで…解体か…」


さっきは捌き方だけ教わって魔石の場所を教えてくれなかったので時間がかかったが今回は魔石の場所もわかるので早くすんだ。


「じゃあ次行こうか!」


そうしてまた魔物を狩りに行った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る