第16話 狩り

「えー…第二王女のシャイナ様も一緒になった。」


そしてシャイナ様がぺこりっと頭を下げた。


「へ〜〜〜?」


ソフィ…怖いよ?昨日も耳打ちで何を話していただとかいろいろ問い詰められたのにまだ疑いの目を向けるのですか…。俺は別にソフィと付き合ってるわけではないのに…


「時間が惜しい。早く行くぞ」


「はい!」


急かされてたので急いでソフィと馬車の中に乗り込んだ。


「これがお前たちの防具と武器だ」


馬車の中で胸当てなどの装備を渡されて付け方を教わった。


「えっと…シャイナ様も魔物を狩ると?」


(こくんっ)


大丈夫なのか?という視線を騎士に向けても大丈夫だと言いたげな顔をしていた。

そして武器は俺は短剣、ソフィはメイス、シャイナ様は短刀を使っている。

そしてとうとう森についた。


「俺は手を出さないと考えおけ。ただ口は出すからな!」


そう言って俺たちから10メートル弱ほど離れた。


「とりあえず真っ直ぐ進むか?」


「そうしましょう」


とのことで真っ直ぐに進もうとしたがその時に腕をグイッ!と引っ張られた。


「えっと…こっちがいいってこと?」


(こくんっ)


腕を引っ張られたのでシャイナ様の方を見てみると右斜め前に向かって指を指していた。その方向がいいとの事だ。俺は正直どっちがいいかなんて分からないからシャイナ様の言う方向に進むことにする。


「じゃあこっちに行こう」


そして進み出した瞬間にシャイナ様が耳打ちをしてきた。


「シャナ…」


「え?」


「シャナって呼ぶ…」


「う、うん」


それで了解という意味を込めて頷くとよろしいとばかりにシャナは進んで行った。


「ソフィ!行くよ!」


「…ええ」


少し睨んでいるソフィの頭をぽんぽんっと撫でてから森の中へと向かった。


「いた…」


するとすぐに三体のゴブリンを見つけることができた。


「ソフィ…真ん中の一体やれる?」


「ええ…」


「シャイナ…シャナは右の一体をやれる?」


(こくんっ)


シャイナ様と言おうとするとシャナの目のハイライトが消えていったので急いで呼び直した。すると今度はソフィの目のハイライトが消えていった。どうすればいいんだ…これは帰ったらまたお説教か…


「吹け!ウィンドスピア!」


ソフィが魔法を放つと同時に俺とシャナが飛び出した。ソフィの魔法の槍は綺麗に頭に刺さって即死のため他のゴブリンが混乱した。その隙に俺とシャナが飛び出して残りのゴブリンの首を刺した。


「初陣にしては文句はなかったぞ」


「あ、ありがとう」


1回ゴブリンを倒したことは黙っておこう。


「じゃあどんどん行こう」


そうしてゴブリンを倒しながら森を進んで行った。

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