調査1


B:「ニンジャを出しても全てが面白くなるわけではない。研究終了」


A:「待て待て待て」


B:「なにか言い逃れでも?」


A:「確かに面白かったかと言われれば微妙さが残るが、こうは考えることが出来ないだろうか」


B:「聞きましょう」


A:「これが毎回起こるんだ」


B:「意味が分かりかねます」


A:「だから、毎回事件が起こり名探偵が謎解きをしようとするとニンジャが出てくるんだ」


B:「なるほど。それは当然毎回同じニンジャですね」


A:「そうだ! そしてニンジャが逮捕されて終わる。ここで大切なのは、実際にニンジャが出てこなければ謎解きを行って犯人が当てることが出来るようにだけはしておくことだ」


B:「解決されない謎として放置はするけれど、ちゃんとヒントは描写されているため読み込めば解決することも出来るというわけですね」


A:「そうだ。こうすれば面白くなるんじゃないか?」


B:「言いたいことは分かりましたが、それは今回の趣旨とは外れてしまっていませんでしょうか」


A:「む」


B:「そもそも、サプライズニンジャ理論が面白くなると言われている理由は突拍子のなさからくる落差だと思われます。だとすれば、その案ではむしろ予定調和の笑いになってしまう。連載となればなおさらです」


A:「やはり単発時での面白さのみを調べるべきか……」


B:「そうではない場合も研究する必要がないとは言いませんが、最初から外れるのは如何なものかと」


A:「だが、さっきのシリーズを毎回読みたいという感想が届いている」


B:「誰からですか」


A:「義理の娘の曾孫」


B:「貴方はお幾つの設定ですか」


A:「確かに公私混同はいかんな」


B:「言ってませんが、その通りですね」


A:「では、君の言う通り今度は単発での面白さを追求していこうではないか」


B:「ですから、研究といいましょうよ」


A:「次の話は……、これだ!!」

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