第3話十字路での奇怪実験(証言者・早瀬聡子)

私は早瀬聡子はやせさとこ、小学六年生。

これは去年の夏休みの話。

私の友達に新美祈里にいみいのりというのがいたんだけど、彼女は大のオカルト好きなの。

新美ちゃんは女子じょしオカルトクラブを自分で結成して、私はクラブに入会していたの。

七月三十日しちがつさんじゅうにち、新美ちゃんと私達五人のクラブメンバーは例の十字路に集合したの。

「ではこれより、十字路の噂を検証する実験を行います。」

新美ちゃんとクラブメンバー全員は自転車で集合したの。

実験はそれぞれ自転車を一人ずつ全力でこいで、果たしてその自転車の運転手は異次元空間に飛ばされるのかを検証するものよ。

私は正直怖かった、異次元空間に飛ばされたら怖い目に遭うわ。

順番は私が一番最初だった、祈りながら自転車を全力でこいだ。

私は十字路を無事に通り過ぎた。

その後の四人も、十字路を無事に通り過ぎた。

そして最後は新美ちゃん、新美ちゃんは全力で立ちこぎしながら、十字路に向かった。

そして十字路に入る直前、新美ちゃんから見て左側から車がやってきたの!

「危ない!!」

私は叫んだ。

「ガシャーン!!」

新美ちゃんの自転車と車が衝突した。

でも・・・、新美ちゃんの姿がそこから消えていたの・・・。






新美ちゃんはその日帰ってこなかった・・・。

異次元空間に飛ばされちゃったんだ!!

そう思った私達五人は、恐怖で震えた。

それから三日後、新美ちゃんが見つかったとお母さんから知らされた。

私は新美ちゃんの家に行った、でも新美ちゃんのお母さんから「今は会えない」と言われたの。

私が理由をきくと、新美ちゃんのお母さんはこんなことを言った。

祈里いのりはあの十字路の電灯が無い角で気を失っていたの、発見した近所の人が警察に通報して、祈里いのりは帰って来たわ。祈里いのりは酷く震えていたから理由を訊くと、あの時自分はどこだかわからない所にいて、前方から顔に大怪我を負ったセーラー服姿の女子高生が、自分の自転車に乗りながら追いかけてきたというの。その女子高生はケラケラ笑っていて、とても怖かったそうよ。それで轢かれると思ったその時、祈里いのりは戻ってきたそうよ。」

私はその時を思い浮かべて、全身がぶるぶる震えた・・・。

そして新美ちゃんは学校を休んで、十月になってから学校に来たわ。

でも女子じょしオカルトクラブは解散になったの、だって全員「本当の恐怖」というものを知ったから・・・。




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