第2話暴走族のトラウマ(証言者・板垣権田)
俺は
事件はそんな時に起きた。
午前一時、いつものように四人で走っていたら、パトロール中のパトカーに見つかってしまった。
捕まるものかと逃げていた時、例の十字路に差し掛かった。
俺は三人に「この十字路でバラバラになるぞ!」と指示、三人は俺の指示に従った。
俺は十字路を左に曲がった。
するとその直後に「ガシャーン!」という音がした。
俺は慌てて十字路に戻り、今度は右方向に曲がった。
すると泰利の乗っていたバイクとパトカーが衝突し、事故になっていた。
近くに元治がいた、恐怖で顔が青く引きつっている。
俺はバイクから降りて元治に訳を訊ねると、元治は震えながら言った。
「俺、ヤス(泰利)と並んで走っていたんだけど・・・、十字路を過ぎた直後にヤスの方をみたら・・・、バイクにヤスが乗っていなかったんだ!!」
俺は恐怖で絶句した、しかしあの噂が本当であるはずが無い。
当初の俺はそう思った。
俺と元治と正也は警察に連れられ、取り調べと説教で警察署に一時間拘束された。
しかし六時間後、俺は泰利に電話をかけたが、泰利は出なかった。
しかも元治によると、泰利は昨日から帰宅していないという。
俺はあの噂・十字路の都市伝説を思い出した。
あれはまさか本当なのか・・・?
それから二日後、警察から泰利が見つかったと連絡が入った。
元治と正也と一緒に警察署へ迎えにいった、ところが泰利は突然「チームを抜けたい」と、土下座しながら懇願した。
俺が訳を訊ねると、泰利は言った。
「十字路を走り抜けると、俺は何故か異次元空間にいたんだ。そこで恐ろしいものを見た。俺が乗っていたバイクに、顔に大怪我をした女子高生が乗っていたんだ!しかもそいつはゲラゲラ笑いながら、俺に向かって突っ込んでくるんだ!俺は怖くて走ったけど、逃げ切れずに「轢かれる!!」と思って目をつむって、そして目を開けたら十字路の電灯が無い角に俺は立っていたんだ・・・。」
俺と元治と正也は、泰利の体験談に悪寒を感じた。
それから直ぐに俺達は暴走族チームを解散した。
その時のバイクは今もあるが、あの十字路は二度と通らない事を心に誓ったよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます