第22話 インターミッション(4)

「……っと、ストップ。」

 骨太の人差し指が、マウスをクリックし、再生動画を止めた。

「店内カメラでは、これが限界ですね。」

「そう言うこったな。」

「しかし、いくら興信所の仕事が、警察と無関係ではいられないからと言って、ここまで大掛かりな捕り物に、発展するものですか。」

「そりゃぁ……日頃の行いってもんさ……と言いたいところだが、あの店、店長がヤクの売人でな。二課が、目を付けてたんだよ。今回は、風紀課に出張って貰ったがな。」

「二課……確か、捜査二課と言えば、対暴力団に特化した組織で、昨今は、組織犯罪ですよね。風紀課は、飲食店や、未成年犯罪の担当でしたね。しかも、二課に恩を売る形になる……。」

「おお、そうだ。良く知ってるな。しかも、あの店は、ソフトドリンクを頼むと、低味低臭のアルコールを混ぜて出すんだ。一部の悪質なホストがな。」

「つまり、客を酔わせて……色々犯らかすと言う事ですか。」

「そうだ。だから、捕り物の際には、飲酒運転対策用のアルコール検出器を、使って貰える様、頼んどいた。勿論、JK共は、ヤクこそ出なかったが、アルコールでヴァッチリ有罪だ。」

「勿論、ホストクラブへの出入りだけで、十分退学案件です。が、処分は各人差をつける事にしたいですね。それより、件のゲンイチと言うホスト、どうやって説得したのです?」


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