第16話 弁護士の報告

「……この後、依頼人をご自宅まで送迎しました。以上を持ちまして、ご依頼の件完遂です。」

 僕と生徒会長は、学校の駐車場に止めた弁護士の車中で、やや長い報告を受けた。

「お疲れ様です。黒田先生。」

「こちらこそ、です。そうそう、依頼料は、事前の取り決め通り、後日学校に請求させて頂きます。」

「おい! 弁護士費用も、学校側を脅迫して、捻出させたのかよ!」

 などと言う無意味な指摘をする者などこの世界にいない。

「はい。問題ございません。」

「それと、今回の『目撃情報』は、名誉棄損に該当します。被害届を出すか、慰謝料と引き換えに示談にするべきでしょう。」

「成程、イジメ加害者の親から慰謝料をせびり取れば、また弁護士費用を請求できる。そう言う腹積もりか。確か、慰謝料の25%くらいが、相場だったか……。」

 等と言う無駄口を叩かない宗竜だった。

 生徒会長は、僕に目くばせする。僕が、「是非に及ばず」と言う意味で、首肯したので、答える生徒会長。

「では、それもまとめてお願い致します。」

 今日の仕事は、終わり。この後、弁護士先生の車で送迎され、生徒会長、僕の順で帰宅。


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