第8話 インターミッション(2)

「生徒会長、凄まじいですね。カメラの映像も鮮明、録音もしっかりとれています。これだけの機材、どんなルートから入手したのです?」

「私の叔父様は、興信所を経営しています。とだけ、言っておきます。」

「『予知能力』に、リアルな調査能力が、加わるって、どんだけ鬼に金棒なんだよ。」

 等と言う無駄口を叩かない宗竜だった。

「生徒会長、証拠は、揃いました。次にどう動きます?」

「『イジメ対策室』室長としての意見を聞かせて下さい。宗竜君。」

「生徒会長、その呼び方は、やめて下さい。」

「何故?」

「生徒会長から、馴れ馴れしい呼び方をされる理由がありません。」

「交際中でしょう。私達。」

「生徒会長は、調子に乗り過ぎだな。」

 等と言う無駄口を叩かない宗竜だった。

「生徒会長、正確には『仮面』交際中です。それとも、『仮面』交際中だと『死亡』しますか。」

「……………………………………やむをえません。では、何とお呼びすれば?」

「生徒会長、であれば、『多賀君』と呼んで下さい。」

「……………………………………わかりました。多賀君。」

 そう言って、素敵な笑顔を見せる生徒会長。笑顔だけで、人を惹きつける笑顔だった。

「流石、生徒会長。人気投票第1位だからこそ就任できた役職。だが、僕は人……女の本音が、如何に醜いか知っている。安く見るな。外面如きで、僕の心をどうこう出来ると思うなよ。」

 等と言う無駄口を叩かない宗竜だった。

「生徒会長、話を戻しましょう。確か、僕の意見を聞きたいそうですね。」

「ええ。」

「であれば、味方を増やすべきですね。」

「味方……具体的には、誰を?」

「まずは、被害者です。彼に、僕達が全面的な味方だと、理解させるべきですね。」

「それは、私も賛成です。ですが、課題もあります。」

「生徒会長、それは被害者の親ですね。」

「ええ、被害者……とりわけ生徒は、親に知られる事を、『恥』と考える傾向が、強いのです。一体、どうすれば、親御さんにも協力を、取り付けられるか……。」

「生徒会長、そんな時こそ、『能力』です。僕の指示通り使って下さい。」

「分かりました。では、どうすれば良いのでしょう。」

 僕の指示通りに『能力』を使った生徒会長は、意外そうな貌をしていた。

 僕達は、この『予知』を基に、作戦をまとめた。


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