「サブプロット」ってなんでしょう?

 はい、皆さんおはようございます!今日から二月ですね……誕生日がある月で、アラフォーながやんはまた一つ歳を取ります。いやあ、いつになっても四十路よそじならぬ四十児よんじゅっさいじなんで、いけませんね。もっと大人にならないと。


 あ、さて…今日は「」というものを紹介します。

 これも実は、皆様はすでに物語の中に取り入れてて、使いこなしているかもしれません。プロットが出来上がった段階で、ある程度物語に組み込まれていることもありますし、無意識に作ったプロットがサブプロットを内包していることがあります。

 では、サブプロットとはなにか?


 ズバリ、サブプロットとは「主人公以外のキャラの物語」です。


 群像劇でなくとも、一人称形式の小説でも、主人公以外のキャラクターが必ず登場します。そうでない物語があったとしても、主人公以外の起承転結、目的の達成以外のドラマが確実に存在するんです。

 それらを総称してサブプロットと呼びます。

 少し、わかりやすくガンダムに例えて見てみましょう。おいまたかよ、ガノタ自重wwwwwwとか思わないで、まあ読んでみてください。あと角川さん、いつか俺に「ガンダムで学ぶラノベの書き方」みたいな本、出させてください(笑)




 ガンダムのメインプロット、これは間違いなく「アムロ・レイがガンダムに出会い、戦争に巻き込まれ、その中で成長してゆく物語」ですね。そして、序盤は「ジャブローにガンダムを届ける」という目的があり、それが転じて「ジオン軍に勝利する」という目的に変化します。

 多種多様なキャラクターが登場する群像劇でもあり、ブライト・ノアやミライ・ヤシマ、カイ・シデン等の魅力的なキャラクターが登場します。


 では、ガンダムのサブプロット、これはなんでしょうか?

 因みにガンダムは、実はロボットアニメでは初めて「メインプロットが二本ある、そう思えるくらい濃密なデカいサブプロットが配された作品」なんです。

 もうお分かりですね……そう、シャア・アズナブルの物語です。

 ガンダムには、上記のメインとなるアムロのプロットの他に「父のかたきを討つために名を偽り、顔を隠してジオン軍で戦うシャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)」というサブプロットがあります。そして、その結末がどのようになったかは、もう語るまでもないですね。復讐は完遂されザビ家の第一世代は全員死亡した訳ですが、シャアは晴れてジオンの子として名乗ることもなく、ザビ家が残したジオン残党に寄り添う道を選んだように見えました。


 他にもガンダムには、複数のサブプロットがあります。そして、なにも別のキャラクターの物語じゃなくてもいいんです。設定や世界観の推移、これもまた立派なサブプロットですね。

 例えば、連邦軍で唯一のMS(の一つ)だった、ガンダム。これが中盤から、量産型のジムが出てきます。勿論もちろん、娯楽アニメなので試作実験機プロトタイプの方が、制式量産機マスプロダクトモデルであるジムより強いです。これには当時「試作実験機ゆえに高コストで頑丈に、さまざまな試験運用に耐えられるように造っていたから」という設定がなされていました。

 話を戻しましょう、ガンダムのサブプロットの一つが「MS開発で遅れを取った連邦軍が、ガンダム開発とその実践データを得てジムを量産、数での優位を活かして逆転する」というものです。


 まだまだあります、探せば沢山でてきます。他には「カイ・シデンが不本意ながらパイロットとして戦い、その中で出会いと別れを経験して、一人前の戦士に成長する」というのもありますね。ミハルという女スパイとの出会い、そして死別が彼を大人にしました。弟や妹を養いたかっただけの、そんな優しい少女が虫けらのように死んでしまう、そういう戦争自体を憎むようになったんですね。

 セイラさんの「兄と同じく名を隠しながら、逆に連邦軍に属するようになってしまった悲劇の姫君」というサブプロットもあります。このように、主人公の物語と同時並行している物語の筋を、サブプロットと呼ぶようですね。




 では、改めてながやんの物語のサブプロットを見てみましょう。

 メインとなるのは「右腕を失い追放されたカイナが、再び戦えるようになって親友の右腕に復帰し、魔王を退け平和を引き寄せる」というものです。

 これに対し、様々なサブプロットを用意してみました。

 まずはメインヒロインの「魔王に召喚された地球の女子高生のユウキが、魔王を止めて地球に帰ろうと頑張り、最後には月に残って好きな人と生きたいと思うようになる」というものですね。他にも「幼馴染おさななじみのカルディアの死で、かたくなに魔王討伐だけを追い求めるようになったセルヴォが、最終的には友情や仲間の存在を取り戻して勝利する」というものがあります。また、世界観として「王政や封建制度が崩壊し、市民階級が台頭してきたが、先頭に立つリーダーがやっぱり必要とされるのだった」というのもあるし、設定としての「剣と魔法の時代から、誰でも使える銃の時代になりつつあるが、銃は万能ではなく、やはり大事なのは仲間の連携や道具を使いこなす知識」というものもあります。


 サブプロットは、物語の奥行きや深さを豊かにしてくれます。

 主人公だけの物語ですと、どうしても平坦で一本調子なものになりがちです。例えば、桃太郎の物語なんかもそうですね。桃から生まれた桃太郎が、悪い鬼を退治して財宝を手に入れます。しかしここに「本当に鬼は悪で、討伐されるべき存在なのか?」というサブプロットを追加すると……途端に、視点が増えて見方が変わってくると思います。


 で、大事なことは「」です。


 サブプロットは、メインプロットである本筋が完結を迎えた時、その前後でかならず「サブプロットなりの起承転結の結」にたどり着いていなければいけません。これを怠ると、公募時なんかは下読みさんや編集者さんが「未回収の伏線がある」とみなして、低く評価することがあります。

 そして、サブプロットが多過ぎても、メインのプロットが圧迫されたり、霞んで見えたりします。適度に盛り込んで、上手くメインプロットの脇を支えるようなサブプロットを作りたいですね。

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