プロット
ひとくちコラム
「プロット」ってなにを書くの?
はい、皆様こんにちは! おはようの方もこんばんはの方も、お疲れ様です! さあ、いよいよプロットそのものを作りにかかります。ここまでネタ出しの種書き、そしてプロットに必要なあらすじを作ってきました。
ながやんはこんな感じで作ってますが、作品によっては違う手法を取ったり、いきなり種書きをせずにあらすじを書き始めたりします。まあ、ケース・バイ・ケースですね。
で、最後はプロットにして編集部の担当さんに見てもらいます。
担当さんのOKが出れば、編集会議で大勢の編集者さんに見てもらえます。
そこでもOKが出ると……いよいよ出版に向けて、実際に小説本編を書き始めるんですね。でも、その前にボツになることも多いですし、リテイクを繰り返してるうちに煮詰まりボツになるケースも多いです。よくある「居着いちゃう」というやつで、同じ作品のプロットをどんどん直してても、結構よくならないこともあります。一つのアイディアに固執するより、何度か直して駄目なら保留にして、別のアイディアで新しいプロットを作るほうが多いですね。
では、プロットに書かれる内容を洗い出してみましょう!
1.タイトル&作者名
まあ、基本ですね。
因みにこのタイトル、企画段階でのもので、出版に際して変更されることがあります。稀によくあります。例えば、GA文庫の大人気作品「這いよれ! ニャル子さん」は、公募にて受賞した時のタイトルは「夢見るままに待ちいたり」でした。タイトルが違うだけでもう、全然別の印象がありますよね?
実は、ライトノベルが売れるか売れないかを左右しているのは「表紙イラスト」「タイトル」「帯」「最初の数ページ」です。その一つであるタイトルは、とっても重要です。何故なら、この四つの要素のうちで原作者が直接タッチできるのは、タイトルと最初の数ページだけだからです。イラストは絵師さんが描いてくれるし、余程のことがない限りリテイクはできません。帯はもちろん、編集部の担当さんが一生懸命あちこちに根回ししてくれて、豪華な帯がつけば売れる確率UPです。
2.概要
ざっくばらんなあらすじというか、ここでは「ラノベ文庫本に書いてる煽り文みたいなもの」を書きます。作品がファンタジーなのか、SFなのか。恋愛ものなのかバトルものなのかを、サクッとわかるように書きましょう。また、さりげなくここで「ここが本作のウリだぜ!」というものを押し出しておくのも忘れないように。
3.設定
はい、待ってました! の、設定ゾーンです。ただし、物語の全体を把握するために必要なもの、ストーリーに関わってくるものを最低限の範囲で簡潔に書きましょう。ここではまだ、ヒロインのスリーサイズや主人公の必殺技一覧、世界の年表や地図はいりません。
わかってる、設定作るの超楽しい。
わかりみが凄い、超わかる。
でも、ぐっと我慢です。
種書きでまとめたものから、必要最低限を書き出しましょう。
4.登場人物
ここでは、名前のある主要キャラクターは全員列記します。しかし、事細かに書くとボリューミーになってしまうので……名前、性別、年齢、どんなキャラか、どんな秘密があるかを簡潔に。容姿や体型なんかは、特別ストーリーに関係してない限り、ないしそのキャラクターのアイデンティティに直結してない限り、書かなくてもOKです。勿論、「巨乳でそのことを常にコンプレックスに持ってるが、常に胸を無意識に強調してしまう」とか、キャラ立ちに関わることは逆に全て書いたほうがいいでしょう。
5.あらすじ
最後に、あらすじです。先日作ったものでOKで、もし編集部の担当さんが気に入ってくれれば「もっと詳しいものを見せて」とか言ってもらえます。なにより、ここで書かれたあらすじで全てが伝われば、それにこしたことはありません。また、内容に関しては電話で(首都圏在住の方は直接会うこともあるようです)打ち合わせがあります。
ここで大事な話ですが、編集部の担当さんはあなたにとって「もっと良心的な読者さん」です。何故ならば、担当さんは「あなたの企画を理解しょうとして飲んでくれる」からです。基本的に、良いとこ探しの加点方式で読んでくれるんですね。
そして勿論、ダメ出ししてくれます。
担当さんが「どこが面白いかな、楽しもうって気持ちで読んでて気になった点」というのは、これは直した方がいいかと思います。何故なら、出版して売られてる本を買う読者は、担当さんほど頑張ってわかろうとしない、いい場所だけを見て褒めようとしてくれないからです。
プロ作家としては、一番親身な担当さんをプロットで納得させることです。
逆に、担当さんに響かない作品は、さらに厳しい目で読む読者さんの心を打つことは難しいでしょう。
はい、実はこの五つだけです。
思ったよりそんなに多くないでしょう?
ぱっと見ると、簡単に想うかもしれません。
でも、逆にも考えられます。
これしか書けないんです。
この五つの要素に、あなたがこれから書きたい作品、読者に読んでほしい作品を凝縮しなければいけないんです。イラストやイメージボードをつけても駄目です(公募では毎回数人、イラストを同封する人がいるそうですが、無駄なのでやめましょう)イメージソングやどのキャラをどの声優がやるかとか、そういうのも全く語れません。
物語を書く技術と同時に、プロの商業創作では「プレゼン能力」も試されます。ここでは「書いた小説本編を読んでもらえばわかるんだけどなー」というのは、通用しません。編集部はドチャクソ忙しいのです。
だから、一つ上を目指すなら「いいプロットの書き方」を勉強しましょう。正直、ながやんもまだまだ手探りで日々勉強です。ただ、プロを目指すなら後々絶対にプロット作成の技術が問われます。プロの世界では「小説は書けて当たり前」なんですね。だから、この自分の書いてる文章が、どこかの誰かの役に立てれば嬉しく思いまっす!
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