あらすじ

ひとくちコラム

「あらすじ」ってなんですか?

 小説を書く上で、本編と切っても切れない関係を持っているのが「あらすじ」です。全ての小説には、あらすじが存在します。

 小説本編を短く凝縮して説明したものが、あらすじ。

 あらすじを描写で肉付けしたものが、小説。

 両者は本質的には同じものかもしれませんが、用途が大いにことなります。

 では、どちらから書くのがやりやすいんでしょうか?


 因みに、新人賞等の公募に応募する時は、かならずあらすじを書く必要があります。概ね400字前後ですので、10万文字の小説をこの中に圧縮せねばなりません。

 大事なのは、公募用のあらすじは「最後のネタバレオチまで全て書くこと」です。よく、ラノベの文庫本やその帯に書いてあるような「果たして主人公はこのあとどうなるのか!?」みたいなあらすじを書く人がまだいるらしいですが、最近は公募のホームページや応募条件に「あらすじは最後まではっきり書くこと」と明記されることが多くなりました。

 補足ですが、ラノベの帯やあらすじっぽいもの、あれは「煽り文」とかって呼ばれてますね。


 さて、小説を書く時は本文から書くのか? それとも、あらすじから書くのか。卵が先か、鶏が先か、みたいな話に見えますが、個人的にはあらすじから書くことをオススメしたいと思います。

 何故なら、あらすじはプロットの書式に必ず必要な要素だからです。

 プロになると、書いた作品を編集者に見てもらう前に「その作品を書いてみてるかどうかを、プロットのやり取りで話し合う」というプロセスが必要です。出版はビジネスで、編集者の皆様は大変に多忙な日々を送っています。一人で複数の作家を担当する方も多く、そうそう何度も新作小説をフルで読む時間はありません。

 そこで「作品の面白さを凝縮した手引書」として、プロットを読む訳です。

 次のセクションではプロットを書きますが、その前段階として、プロットの中でも一番大事な要素であるあらすじについて触れたいと思います。

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