種書きVer.2.14

・魔法

 異世界ユグドルーナでの、普遍的な能力。カイナたち人間も魔族も、等しく使うことができる。ただし、地球から召喚されたユウキは、月の民の末裔だが魔法は使えない。

 そもそも魔法とは、本来は魔族(地球の民=鬼)が持っていた能力である。古代の地球と月の戦争が終わった時、月の民は捕虜として残された鬼たちからこの魔法の力を奪った。月に取り残された鬼たちは全て、今は失われた科学の力で天界樹ユグドラシルへと姿を変えたのだ。月では、天界樹をリソースとして人間でも魔法が使えるのである。

 また、鬼の末裔である魔族は、もとより魔力を持ち、誰でも魔法が使える。


 ユグドラルーナの魔法は、地水火風の四元素や精霊によるものではない。また、神の奇跡を借りるたぐいのものとも異なる。人間は天界樹から、魔族は己自身の魔力から力を引き出し、様々な力を発現させる。

 大きく分けて、魔法の分野は三種類。

 まずは、日用術。どんな人間でも使える、暮らしに便利な生活のための魔法。

 次に、治癒の魔法。これは訓練した人間だけが使える、回復魔法である。

 最後に、攻撃系の魔法。これも訓練や勉強が必要で、最も難易度が高い。

 また、魔族は全てを最初から使える。


 魔法のみなもとである天界樹は、太古の昔に地球の民を鬼柱ひとばしらとして生み出された。この天界樹に眠る魔力を借りることで、月の民の末裔である人間も魔法が使えるのだ。

 ユグドラルーナのあちこちに天界樹は点在する。それは全て、空の上の天井(外から見るとクレーターだらけの月の表面)を支えている。そして、街や村にある天界樹には、その地域の巫女みこが仕えている。巫女の祈りや人々の祭事で、天界樹となった鬼をしずめているのだ。


 なお、この設定は基本的に小説の中では深く取り扱わない。大事なのは『魔法の源は実は、昔の魔族(鬼)』で『月の民(人間)が自分たちのために、地球の民(鬼)を天界樹にした』ということ。つまり、魔族と人間どっちが悪いの? という価値観が、作中のある一点でひっくり返ることになる。それがいわゆる、起承転結の『』となるかもしれない。

 起承転結、この『』とは『』でもある。

 転のエピソードが一定の文字数ある訳じゃない。

 転とは『』なのだ。

 これは個人的な俺の見解だけどね。

 どんな物語でも、あるページのある文章、決定的な描写やシーンが読まれた瞬間、その時が『転』なのである。


 またガンダムの話で申し訳ないけど、機動戦士ガンダムっていうアニメの『転』は、俺はジャブローだと思う。今まで『ジャブローにガンダムとホワイトベースを運ぶ』という、最初の目的が達成された直後に、今度は改めて『ジオン軍を打倒する』という目的に主人公たちは組み込まれる。

 今までは逃げる側だったのが、攻める側にシフトするのだ。

 そういう意味では、29話~31話までは『転のシーン』だ。だが、その中の『点』はやはり、ズゴックに乗ったシャアと再びアムロがガンダムであいまみえたとこだろう。この一瞬にウッディ大尉の捨て身の攻撃&散華さんげ(討ち死に)が交わり、アムロたちの戦う動機が変化するのだ。


 そんな訳で、種書きはこんなものかな? あとから色々と足したり削ったりはするし、書き始めたら設定が修正されることもあると思う。そして、この時点では全てが部品で、部品としての加工もまだ途上の状態である。

 これが、プロットを作ることで洗練され、さらに具体的なリアリティが増す。

 来週からは、本格的にプロットを作っていくぞい!

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