散り乱ふ
チリマゴウと読みます。意味としましては、漢字表記のとおり、散り乱れる、舞い散るという意味です。では何が舞い散るかと言われば、たくさんあるでしょうが、最も幻想的であり、さっと思いつくのは「
〈舞散るもの〉
・紅葉:
美しいの定番です。実はこの後紅葉についても一つ項を作ろうとしているのであまり詳しく言うとアレなんですが、実は紅葉は神の仕業とされていました。なぜかって、それはさっきまで緑だった葉が、いきなり赤や黄色に変色してしまうのですから、古代人は不思議で仕方なかったのでしょう。その不思議という心が、神につながるのです。
・桜:
桜はその単純明快な名
・雪:
ふわふわとした雪は、ひらひらと落ちていて心もとないように思えますが、反面積もった時は雪害と言わしめるほどに怖いものとなります。適度に降って、適度に積もれば幻想的でいてくれるのですが。
・紙吹雪:
紙吹雪、小さく切った紙切れを、神事に使うというのはいかがでしょう。実際の神社でもやっているところはありますね。その詳細わからないにせよ、紙吹雪が舞う和風景というのもまた、桜などに比べても乙です。紅葉の積もって赤、黄色に染まった山の中で行うというのも美しい光景が生まれることになるでしょう。
以上の四点が、「舞散る・散り乱ふ」ものです。しかしただ舞い散って美しいですね、で終わってしまってはあまりにもったいなし、というものです。それぞれを効果的に描写して、一人前と言えるでしょう。例えば紙吹雪は神事に使われるというものそうですし、あるいは桜が散るということは、何か暮らしの上での目安になっていてもいいでしょう。例えば一般の集落なら、それが春の終わりであるから、その時期から山に入ることが解禁されるとか、あるいは宮中であれば、春の終わりに句会・神事としての花見を開くとか。雪などは積もってほしくないでしょうから、雪が降ってきたら雪除けの呪文を唱えるとかでもいいでしょう。それが時を下るにつれて形骸化していって、雪が降ったのを見たときに言う決まり文句になってもいいでしょう。
以上。
===注
(1)桜の語源は、「咲くやつら」ということです。つまりは咲く花。花は咲くものですが、特にきれいな桜が、THE咲く花ということで命名されたのでしょう。そう考えると桜がどれほど特別な位置づけであったかがわかります。
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