天霧ふ・うち霧す
ほんとに、霧というのは何とも幻想的です。どんな景色でさえも一瞬にして神秘さを深めてしまうのですから。現実世界までも幻想世界風にしてしまう霧、それなら
さて、一つ目はアマギラウと読み、二つ目はウチキラスと読みます。どちらも、(空)一面が霧に覆われてしまうという動詞です。
ちなみに、日本神話などでは、霧が神などの息吹によって生まれるとされており、またその
以下、和風ファンタジーにおける霧の幻想的な使い方を考えてみます。
・人を神隠しするのに、神が用いる
・とある泉前の社には、常に霧がかかっている。
・標高の高い場所に位置する集落。そこへ行く道がほぼ濃霧に塞がれているので、
・一年に一度、ある国では「霧籠り」が風習として行われる。これはその時期毎年「
これくらいになります。ちょっと今回はあまり創造力が働かなかったかな……。まあでも傾向としては、やっぱり「神」に結び付けられることが多くなるのではないでしょうか。特に神隠しなどは、霧と言われて真っ先に思いついたものですから。そういえば言い忘れていましたが、急に何でもないところで霧がかかるということは(現実ではありえませんから)、作中で登場させるときも湿度が高い場所を選択したほうが無難です。ただ、神のみ業であれば、何でもないところに霧をかけるなんて造作もないことなんでしょうけれど。
では最後に恒例となりつつある、呪文タイム。今回は、
・ひさかたの天霧ふその
〈ゲームでのお手本:霞竜オオナズチ〉
出典はモンスターハンターシリーズです。このオオナズチというモンスターは、カメレオンのように周囲に同化する性質を持つのですが、その上周囲に霧・霞を発生させる性質も持ち、そこへ体を同化させることによって「姿を消す」、そんな厄介なやつです。
このモンスターの特徴は、それ以外にも毒を吐く・所持品を盗むといったなんともやらしいものです。後者はゲームシステム的な特徴ですが、前者はなかなか面白い設定だと思います。霧は、先ほど申し上げたように生命の象徴なわけですが、今日ではあまりいい見方をされないことも多くなってきました(運転中の濃霧など)。その霧に対する煩わしさが毒のマイナスイメージに当てはまったのでしょうか。本稿では霧を幻想的とか、生命的とかいういいイメージでとらえっぱなしでしたが、悪いものとして作中に登場させるのも、また一興でしょう。
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