第7話何故に来たと言われても。
ドラゴンは言った。
「若いのそなたこの世界の者ではあるまい」
「何故こちらに来たのだ?」
・・・・・
「ただ色々な世界を見たくて異空間航法を試しただけだ」
「・・・・・私でも使えぬ異空間航法をか」
「そうだ」
「だけど正体バレたからこの世界から出ようと思うよ」
「すまんな森の少年には二度とあの様な事はさせぬと誓おう」
「僕も護衛が終わったら元の世界に帰るよ、なんか相性が悪いかも知れないし、何より他の神の眷属と争いたくない」
「正直この世界は眷属が多いから、それは正解かも知れぬな」
そう言うとドラゴンは一陣の風と共に空へ消えた。
一応首都までの護衛が終わった時点で商隊長にはこの世界を去ると伝えた。
城壁が見えた所でお別れをした。
中途半端な気持ちを抱えながら、アルーシュさんの世界へ戻って王都へ寄ろうとしたが、この町には降りれませんと頭の中で声がする。
思わず何で!?って聞いてしまったが、答えてくれた事実に驚愕する。
核爆発の為放射能濃度が高すぎます。
・・・まさか。
その原因は解る。
アルーシュ様が行いました。
・・・・・・・・・。
アルーシュさんの居る近くに行ける?。
本人が会うことを遮断しておりますが、近くに行く事は可能です。
その近くの人気の無い所へ。
体に薄く結界を纏って下さい。
今の身体強化魔法では少し不十分です。
頭で薄く結界を纏う様唱えてみて異世界航行を試みる。
少し薄暗い森の中に降りた。
魔法でサーチしようと思ったが、異世界航行の声に聞いてみた。
アルーシュさんの居る所解る?。
印を出しますか?。
出して欲しいな。
それでは方向を示す青の矢印と、拠点を示す赤の矢印を出しますので、それにしたがってお進み下さい。
有り難う。
頭の中の会話を終了して、凄く便利な機能だと気付く。
森が開けたが薄暗い。
夕方に村とおぼしき所に着いた。
宿は無いかな?。
黄色の矢印が宿です。
えっ?、あっ有り難う。
親切だなぁ異世界航行の声。
「あのう部屋取れますか?」
「えっ?、お客さん」
「あっありますけど」
「お客さんどうやって来ました」
森で狩りをしていて帰れ無く成った作り話をして誤魔化した。
素泊まりは出来ますが、今からでは食事は出来ませんと、言われたがそれでお願いした。
食堂でお酒飲んでる人の側を通ったら声をかけられた。
「あっ!テルじゃ無いか」
「!?・・・マッシュさん?」
「お前何でここに居るんだ」
この辺りの森で遊んでたら首都で何か起こってそれで、と嘘の説明をする。
「そうか俺はアルーシュ様の護衛でこっちに来たんだが、あの有り様でな」
「何が起こったんですか」
「森の中でも見えたろう」
「光とキノコみたいな雲は見ましたが」
原爆の状況は解るので言ってみた。
・・・・・部屋で話さないか。
マッシュさんが小声で提案して来たのでそうする事にした。
僕が取った部屋で話す事にした。
「ひとつ聞いてもいいか」
何ですか?。
「盗賊団の時の爆発はお前の仕業なのか?」
何と無く言いたい事が解るのでそうだと本当の事を言った。
「そうかぁ~」
「・・・もしかして、お前にもアルーシュ様と同じ事出来るのか?」
「ひっとしてアルーシュさんの力知ってるんですか」
「目の前で見ちまったんだよ」
「よくご無事で?」
「なんか解らんが生きてる」
・・・・・。
「どうしてこんな事に?」
首都を管轄してる皇太子がくそでな悪名高い奴なんだけど、そいつがアルーシュ様の二人のお子さんを引き殺した。
訴えたら逆にアルーシュ様が捕らえられてな。
自力で脱出されたが町のあらゆる所に掛け合っても、あらゆる人に掛け合っても駄目で、今王さまが居る別の町に掛け合ったが殺されそうに成った。
そんなこんなで、アルーシュ様がおかしくなっちまった。
首都の城壁の外で突然叫び声をあげたらあの大爆発だ。
アルーシュ様も俺も何故か生きてるのが不思議だけどな。
それでおかしくなっちまったアルーシュ様を連れて港町に帰ろうとしたんだが、この村の外へ出られ無くてな。
関所を封鎖されてる。
「アルーシュさんはこの宿に?」
「ああだが会えないぞ、俺以外は拒絶されていなさる」
「そうですか」
「それで・・・アルーシュ様やお前達は何者なんだ?」
「・・・信じるならアルーシュさんは神の御使いです。そして僕は眷属らしいです」
「・・・・・。」
「信じますか」
「信じるも何も到底普通の人間じゃあねえからな、そうなんだろうな。・・・はぁ~( ´Д`)≡З」
もう寝るわとこの日はそれでマッシュさんは、アルーシュさんの部屋に戻った。
ずっとアルーシュさんの側についているらしい。
普通なら異性で有るアルーシュさんの部屋で寝る事は無いが、今は兎に角心配なので一緒にいるらしい。
マッシュさんの献身的な一面が有り難いと思った。
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