第5話荷役業者。

結果的に僕は道を切り開いてしまった。

いや最後は軍隊が整備したんだけどね。

だから僕じゃ無いよ。

うん僕じゃ無い。


これどうなるんだろ。

山を越えてた運搬役の人達失業しちゃうよ。

取り越し苦労だった。

積み荷を終えた彼等はそのまま乗り込み護衛として機能した。

軍隊がいつまでもいたら、都市の警備とか他に支障が出るらしい。

まああんな人数の盗賊団はそうそう出ないからね。

彼等も屈強な剛力なので護衛としても中々見映えはする。

あんな力で剣を振られたら下手な傭兵より役に立つ。


この世界魔法は余りなく僕も疑われる事は無かった。

しばらくはラザートへ観光に行ったり、アルーシュさんのいる町でのんびり過ごした。


ある日アルーシュさんと神様の話をしたら、とんでもな無い事を言われた。

神とは理不尽な恐怖から生まれたものだと言うのだ。

・・・えっ?、どう言う事。

つまり災害や疫病・獣害・同種の殺し合い等の恐怖から避けたい祈りの思念。

それが天文学的数字程集まって一種の生命体の様な物に成る。

それが神だと言うのだ。

んっ?。

魔法はその神の一部の力で、自力では意思を持たないが、思念の塊で有る神が念じれば発動されて仕舞う。

・・・・・それだと僕神なんだけど。

「そうよ」

「貴方も私も神に構築されて出来た小さな神よ」

「いっ!」

普通の人は素粒子から結合されたので魔法は使えない。

魔法が使える世界は神によって創られた、数少ない世界と言えるわね。

あっ、それで此の世界の人は魔法が使えないのか。

てか魔法そのものが無いんだ。


よく異世界転生物語で魔法を使うけど、その世界は物凄く希な世界なんだ。

魔力って万物の思念の塊なんだ。

まさに神通力。

使い方を誤ってはいけないものなんだ。

「そんな事は無いわ」

「えっ?」

だって理不尽な恐怖の塊なんだから、魔法は理不尽なのよ」

「いや、あの~」

「ふふふ、成る程ね蜥蜴様が貴方を再構築した意味が分かるわね」

蜥蜴って言っちゃったよこの人。

「私はね核兵器で死ぬ直前に神の糞やろーって言ってやったの」

「そしたら蜥蜴・・・いや神様に再構築されて転生したの」

「実はね私核の魔法が使えるの」

(・・・・・・汗)

「此の世界を必要ならば滅ぼせって事かしら」

「そんな・・・」

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