第2話取りあえず職業決めるテルさん。

うん、身分証は魔法で作れると御使い様に聞いた。

僕捕まるよね・・・それ。


一応大丈夫らしい・・・良いのかそれで。

御使様はとある町の貴族様らしいのだが、時々神様とこうして行動を共にするとか。

神様いわく、各世界に御使を置いているらしく、連絡網を構築する為とか。

今回は僕を視察するために同行されたのだが、不幸な事に事故に成ってしまったらしい。


らしいじゃ無くて、不幸なのは僕ですから。

神様に轢き殺された僕を哀れんでよ。

即死で蘇生するには施し様も無くこちらに転生させたらしい。

新たに体造って記憶と魂を入れた時に、常時発動する防御魔法と身体強化魔法を付けたそうだ。

曹達会社の左右田さんがソーダー飲んで死んだそうだ・・・じゃねえよ!。(左右田さんごめん)

まっまあええけど。

一寸嬉しいけど。

「何故僕を視察に?」

「ああ君はある武将の生まれ変わなんだ」

「凄く強かったけど時代が合わなくってね、凄惨な最後を迎えたんだよ」

「本来の生死を司る神が500年後に人に生まれさせたんだね」

「はあそれを轢き殺したと」

・・・・・勘弁して差し上げて。

御使様は優しいなあ。

「ほんまに」

・・・おまゆう~。


で、少しの間御使様の下で暮らして慣らそうと言う話だ。

御使様は30後半くらいの女の人で、娘さんと息子さんがおられると言う。

今からその御使様が暮らすデセントなる町へ行く処だ。


海辺で入り口は山で囲まれたそんなに大きく無い町だった。

入り口こそ柵が有ったが城壁は無くのんびりした所だ。

別の大きな町の領主から代官的な事を任されているらしく、貴族と言っても下っ端との事。


町の雰囲気からも慕われている方だと解る。

「ここが私の住居兼職場よ」

下の階は役所と執務室で、2階3階が住居の様だ。

建物自体はそれなりだが、貴族の邸宅としてはどうなんこれ?。

飾りもそっ毛も無い役所の箱物。

うちは国王に謁見する事も無いし、ラザート伯爵様の使用人みたいな騎士爵位だから良いのよ」

「はあ僕には貴族の事は?」


ラザートは王都並みにでかい町らしく、そこに塩を主として海産物等を運ぶのだが、硬い岩の山が手前を阻んでおり、馬車はその山の向こうからしか出ないと言う。

標高200メートル程度だが、徒歩で運んで馬車に積み直して行くのだ。

最初来た道は王都への街道で、ラザートへはかなりの遠回りに成るのだとか。

片側は山がそのまま張り出して海に落ちるどん詰まりの地形だった。

孤立したラザートの飛び地みたいな、塩の為の町そんな所。

ただ風待ちの船には良好な港の様で、少ないながら人が居着く様に成ったとか。

なるほどぐるりと張り出した山が囲んで湾を成していた。





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