テルさんのtail。

日前みかん

第1話

小春日和に浮かれて坂道を自転車で降りていた。

そう口笛なんか吹きながら。


丁字路をスビード落としつつ右に曲がったその時!。

目の前にはタイヤ。

そう大きなタイヤが有った。

何でとは思わないって言うか、その隙すら無かったし。


どのくらい経っただろうか?。

ふと目が覚めた。

けど、知らぬ天井では無く。

布・・・いや、ホロだな。

背中から振動が伝わる。


ゴロゴロ、ゴロゴロ。

車輪かな。

カッポカッポと蹄の音がする。

漸く横に顔を向けると、綺麗な女の人がいた。


「気付かれましたか、痛い所なぞ有りませんか」

そう問われた。

「いえ別に有りませんが、僕はどうして此処に?」

「えっと、これはどういう状況でしょうか」

僕はただ訳が解らず聞くしか無かった。


「あっあ・・・貴方は道に倒れておられたのですよ」

はあ?・・・・・。

そう言ったのは何と!、蜥蜴の御者だった。

「やだなあカナヘビですよ」

・・・いやそれ蜥蜴だからね。



「もうすぐ駅に着きます」

駅?。

「どうされますか」

蜥蜴の、いやカナヘビの御者は聞いた来た。

駅と言うのは停留所みたいなもんで、仮眠も出来る避難場所だとも蜥蜴っ・・・、とカナヘビの御者は言う。

「あっ・・・どうしたら良いでしょうかねぇほんと」

「町まで行かれますか?」

今度は女の人が聞いてきた。

「いやあのう、なんか訳が解んないんですけど」

「なんか僕さっきまで違う世界にいたと思うんですげど・・・」

変な汗が出る。


石造りで十程のベッドが有る簡易的な小屋に降り立った。

これが駅か。

旅人の安全の為に有るらしい。

同時に待ち合いの停留所でも有ると女の人が説明してくれた。

僕は降りてまじまじと馬車の車輪、いやタイヤを見ていた。

「君、町へ入るなら身分証明書が要るぞ」

御者に言われて困ってしまった。


どうしたら良いでしょうか。

御者と女の人に訪ねるのだが、そうするしか僕には術が無い。

「君はお金はどれぐらい有る」

まじまじ。

身分証明書作るのに10パンズ要るぞ有るかね?」

まじまじ。

聞いてきるのかねと御者は言うが、それよりは車輪てかこのタイヤが気になる。

「あのうこのタイヤ見覚えが有るんですけど」

((うっ・・・。))

御者と女の人がハモった。


もしかして僕をはねました?。

はねましたよね。

僕は御者と女の人にそんな目をして訴えた。

「すまん、君は死んだ」

はあ!?。

御者の一言に出た声だった。

「あのつまりね異空間航行してる時にね、カナヘビ様がね貴方をひいちゃったの」

女の人が言ってしまった。

・・・・・沈黙。

・・・・・暫く沈黙。

「殴って良いですか」


謝罪と賠償だぁー!。

僕は町へ行く馬車の中で、某半島人の様な雄叫びをあげた。

いや僕のは明らかに正当な理由だからね。

日暮れまでに馬車を町に入れたいと言う事で、あの後直ぐに出発し馬車の中で僕は二人に説明をうけた。

理不尽で有る。

しかも蜥蜴・・・カナヘビは神様で、この世界で転生させた僕を探していたらしい。

女の人は神様の御使様だと言う。

貴族か何かのお嬢様と思ってたら。

なんとなく、間違いでひいた僕に話せずにいたらしい。

ふっふふ。

チートな能力頂くぜ、悪いな蜥蜴・・・神様よ。

貰ったのは異空間航法の能力。

それとお金を・・・少々?。

神様がどれぐらい有れば人は生活出来るかと聞いたから、百億と言ってやったら本当に百億くれた。

だからねこれからは蜥蜴じゃ無くてカナヘビでも無くて、これからは神様と呼ぶことにするよねえ御使様。

御使様は引き攣っていたね。

うん百億って価値知ってたね。

後お約束の言葉変換能力と、少しの・・・魔法と丈夫な体貰った。

よし、許す。

「あっ、身分証明書下さい神様あ~」


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