第9話

再び主人公視点です


勇者パーティーが魔の森に入ったころ、村人Aはというと・・・


ウィル「そろそろモンスターと戦ってみない?私と練習するのも飽きたでしょ。」

俺「それもそうだな。でもこんなところにモンスターなんていないだろ。」


今いるここは難関ダンジョンの最下層だ。

最下層にはボスしかいない。

難関ダンジョンのわりにボスが弱かったがそれは無視だ。

とにかくここにはモンスターはいない。


ウィル「出せばいいじゃん!」

俺「それができたら最初からそうしてるよ。」

ウィル「私は出せるけど?あんな強いのにモンスター出せないの?」

俺「だから!俺は弱い、だからモンスターと契約なんかできるわけない!以上だ。」

ウィル「そういうことじゃなくて。ここのダンジョンマスターは私。わかるよね?」

俺「ダンジョン内のモンスターを出せるのか?」

ウィル「そういうこと。」


そう言ってウィルはいきなりモンスターを呼び出した。

俺「ナメクジとハエ何て呼び出して何してんだ?」

ウィル「ちょっと待ちなさーい!地竜とワイバーンなんだけど!」

俺「そんなわけないじゃん。ギルドでランクAに指定されてるモンスターにランクEの俺が勝てるわけないじゃん。」

ウィル「それはエンリケが強すぎるだけでしょう。」


またまたウィルにあきれられた。

そうこうしているうちに、ナメクジとハエがこちらに向かってきた。

しかもハエは2匹。

正直めんどくさい。

俺はまず3匹の周りから酸素を手元に集める。

3匹は突然のことに驚くも酸素がなくなり暴れることしかできなかった。

俺は刀に手をかける。

3匹はやっと酸素を吸えたのかこちらをにらんでいたが、暴れたせいか疲れて動きが鈍くなっていた。

俺は地面を蹴って飛ぶ。

そして刀を構えて一回転。

真っ二つに分かれたハエが落ちていく。

俺はそのままナメクジを見据え、奴の首元に刀を振りながら着地。

ナメクジは崩れ落ちた。


ウィル「もう流石としか言えないわね。」


そういいながらナメクジとハエに魔法をかけていく。

すると何事もなかったかのように体が元通りになり動き出した。

しかし、もう襲ってくることはなった。


ウィル「エンリケの従魔になりたいみたいよ。契約してあげなよ。」

俺「契約ってどうやるんだ?」

ウィル「契約したい魔物の額に触れて契約って念じるだけ。」


とりあえずやってみる。

まず地竜の額に手を置く。

そして「契約!」と念じる。

なぜかウィルが笑っている。

同じようにハエ2匹とも契約する。


ウィル「声に出てるよ。」


俺は心の中で叫んだだけなのだが声に出ていたらしい。

とにかく契約ができたみたいで良かった。


俺「これでいいのか?」

ウィル「ステータス欄を見てごらん。」


言われた通りに確認する。

するとステータス欄の一番下に従魔の欄が追加されていた。


従魔:地竜 レベル135

   翼竜 レベル90

   翼竜 レベル90


といった感じだ。

これを眺めているとウィルが言った。


ウィル「エンリケを捨てた最低勇者御一行が魔の森で休憩し始めた!」


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