第7話
あれからウィルにアドバイスをもらいながら酸素で魔法を打つための特訓を始めた。
もちろんウィルの特訓も続けている。
次第にウィルの魔法は範囲が広がり、
見切って避けても少し攻撃をあてられるくらいにまで成長した。
一方の俺はというと
まず、手元に酸素を集められるようになった。
そして形を自由に変えられるようになった。
また、ビー玉サイズからバランスボールサイズまでの
酸素の塊を飛ばせるようになった。
ウィルも流石に驚いていた。
今は体や刀に纏わせられるように練習中だ。
俺「でもみんないいよなー。みんなは炎とか水とかが出せるのに俺は酸素だよ。
威力が全然違うじゃん。」
ウィル「いや、あんたの方が強いでしょ!相手の周りの酸素を手元に集めればど
んな敵もワンパンでしょ。」
俺「それは思いつかなかったなー。でも相手が動いたら意味なくね?」
ウィル「そもそもあんた強いんだからそれ使えなくてもいいと思うけど。」
やれやれ。
戦いというものをなめているな。
戦うための術はいくらあっても完璧にはならない。
ましてや打倒勇者を目指す俺たちはこれでもまだまだ勝てないだろう。
え?
いつから打倒勇者が目的になったのかだって?
それはウィルのせいです。
ウィルが勇者なんかに負けるわけないとかずっと言ってるから、俺までもしかしたら勝てるのではと思い始めてしまった。
だが痛いのは嫌だから確実に圧倒的に勝てるタイミングまでは戦わないつもりだ。
だから今はひたすら練習だ!
その頃勇者様御一行はというと、新しく暗殺者の職業を持つ男を仲間に加え、
以前のようにモンスターを狩っていた。
勇者「よーし。休憩を取ろう。」
暗殺者「ここ魔の森で休憩は危険ですよ。モンスターがそこら中にいますから。」
勇者「お前心配し過ぎだよ。俺たち今まで1度も襲われてないしな。」
暗殺者「ですが・・」
勇者「うるさい!俺の言うことを聞いていればいいのだ!」
暗殺者「そう・・ですか。私は見張りをします。万が一の時にすぐに動けるようにしておいてくださいね。」
勇者「そんなことわかってらー。さあテントの準備だ。」
無事テントの設置が終わると勇者、魔術士、戦士がテントに入っていった。
テントの周りの見張りをする暗殺者は疑問に思っていた。
勇者の言いていたことは本当なのだろうか。
ここはモンスターが多く生息している森の中だ。
襲われたことがないというのはあり得ない。
以前ここにいた者がすべて倒していたのか?
いや、あり得ない。
奴は無職なのだから。
そう考えていると遠くから足音が近づいてくるのがわかった。
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