第4話
おかしい。
あいつはここのボスだ。
俺は、無職の運び屋だ。
結果はわかりきっていたはずなのになぜだろうか。
目の前に肩で息をする魔人がいた。
俺は何もしていない。
俺「具合でも悪いのか?」
きっとそうだ。
弱い俺に負ける相手などいない。
ウィル「うるさい!黙れ!」
口では元気だがものすごく疲れている。
彼女はいつ倒れてもおかしくない。
俺はだんだんかわいそうになってきてしまった。
そしてついに彼女が倒れた。
俺は、今いつでも奴を倒せる。
目の前にいる魔人を切るだけでこのダンジョンをクリアできる。
しかし、できなかった。
卑怯な手を使ったら勇者と同類になってしまうし、何よりウィルが美しかった。
どれくらいたっただろうか。
ウィルが目を覚ました。
それまで俺は美しいウィルを拝んでたが、目を覚ましたのでやめた。
ウィル「なんでお前がここにいる!そもそもなぜ我が生きているのだ!」
俺「だって本調子じゃなかったでしょ?
不調な相手を倒すほど俺は落ちぶれていない」
ウィル「いや、今日はとても調子が良かった!
300年ぶりに人が来たからやっと戦えると思って喜んで出てきたら
魔力が切れるまで魔法打ってもあたらないって
おまえは何者だ?」
俺「運び屋ですが。あっそうだった。
さっき勇者に捨てられたから今はフリーですね。」
ウィルは唖然としていた。
ウィル「お前を捨てるって本当か?」
俺「ああ。本当だ」
ウィル「・・・」
俺「どうした?」
ウィル「今お前のステータスを鑑定した。
どうしたらそんなバカげたステータスになるのだ」
俺「あーそれはね、・・・」
一通り説明したら納得された。
ウィル「つまりその勇者を倒せばいいのか?」
俺「なんでそうなるんだよ。無理に決まってるだろ。
奴は勇者だ。俺の鑑定ではステータスが低く見えたが
絶対に隠してるだけだろうし、何よりも聖剣とスキルが強い。
奴が聖剣を持つと勇者専用のスキルが発動する。」
ウィル「ステータスを低く見せる道具なんてこの世にない」
俺「そんなわけないだろう!あの勇者だぞ、ゆ、う、しゃ!
わかるか?」
ウィル「お前のほうが訳が分からない」
そんなこんなでウィルと仲良くなった。
どうやら俺は強い部類に入るらしい。
でも勇者より強いっていうことは認めない!
そういえばどうやってここから出るんだろうか?
俺「こっから出たいんだけどどうすればいい?」
ウィル「えー、もう行っちゃうの?
ゆっくりしてきなよー。」
俺「・・・ここダンジョン、お前ボス、合ってるよな?」
ウィル「そうだよ、まだ昼ご飯食べてないでしょう?
ちょっと待っててね」
俺「マジかよ・・」
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