第3話

とうとう底が見えてきた。

落ちてる時間が長すぎて忘れていたが、そういえば穴に落とされたんだったな。

苦しかった人生に幕を下ろす。

そう考えると気楽になれた。

そしてついに左手から地面に激突。


ズドン! ゴキッ


これは左手折れたかもな~


俺「って、なんでだよー!!」


地下の空間に俺の声が響き渡る。

だってさー、死ぬと思うじゃん?

覚悟して落ちたのに左手骨折だけって。

自分のステータスを鑑定すると、体力が5000も減っていた。

俺からしたら5000しかなんだが・・・

生き残ってしまった。

こっからどうやって生きて行けばいいのだろうか。

真剣に考えていると


???「お前は誰だ?」


ん?体力減って幻聴が聞こえているのか?


???「無視するな!」

俺「は?」

???「何用でここに来た?」

俺「落とされただけですけど?」

???「嘘をつくな!あの高さから落ちて生きていられるわけがないだろ!」

俺「嘘じゃない!てか誰だよお前!」


やべー

つい熱くなってしまった。

そう思っていると

目のまえに黒い霧が現れその中から女が出てきた。


???「私はこのダンジョンのマスター兼ボスの魔人ウィルだ」

俺「なんて?」

ウィル「ダンジョンマスター兼ボスのウィルだ!」


いやいや、マジかよ。

ここまでくると笑うしかないよね。

そう思って笑顔でいると


ウィル「今からお前を殺す」


死にきれなかった俺を殺してくれるということか。

なるほど、でも戦ってみたいよなー

勇者でもまだ早いと言われていたダンジョンのボスだよ?

強いに決まってる。

俺がもっと強ければ・・なんて思ってると

ウィルが手から無数の黒い塊が俺に向かって飛んできた。


これは俺の見切りでよけれるレベルだ。

どうせ死ぬなら奴の本気で死にたいと思い、これを避ける。

奴はまた同じ攻撃をする。

避ける。

また同じ攻撃。

避ける。

何度繰り返しただろうか。

奴が魔力切れを起こした。



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