第11話 橘蓮⑪
「能力なんて隠そうと思えば、一生隠し通せる力なんだ。暴走さえしなければ」
蓮は説明する。
突風が吹き、二人は飛ばされそうになるが、蓮が手を出し、風を相殺させる。
「君の兄さんが消えた本当の理由は暴走が原因。君に嫌われるより、君を傷付けるのを、君の兄さんは恐れた。そうでしょう?」
桜の兄、柊の前に蓮と桜は立つ。
「兄さん!」
「何故、ここに……帰ってくれ。僕はもう……」
「いや! 兄さん。一緒に帰ろう。兄さんに能力があっても私は構わないから」
「ダメだ。連れ、力が暴走しているのを、分かって何故連れてきた」
「五十万一括払い、君の為に彼女が払った依頼料だ。僕と彼女の間には契約が成立している。僕が勝手に解約する事は出来ない。彼女はいつでも契約を破棄する事出来たがしなかったから」
蓮が淡々と話す。
「危険だと分かっていてもか?」
「ああ、僕は彼女の覚悟を買った。それを遂行する義務はある。僕なら、止められるとも思っているから」
「生意気なガキだ。だったら、僕の力を止めてみろ」
「当たり前」
蓮はじっと動かないでいる柊の肩にそっと手を当てた。
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