第4話 愛シテタ?
悲劇が起こった。
妻が交通事故で死んでしまった。
妻の葬式はすぐ行われた。
葬式に誰か見覚えのある人物がいたが気のせいだと思って気にしなかった。
僕は妻の葬式が終わった後放心状態になった。
会社はちゃんとやったがどうしても心はポッカリと空いていた。
妻が死んで3ヶ月後、娘は心臓発作で亡くなった。
もう僕には息子しかいなかった。責めて息子だけでも僕が娘に注いでやれなかった愛を注いでやるんだ。
ある日、僕はとあるバーに来ていた。たまには息抜きをしようと来ていた。
「こんにちは」
と声をかけられた。綺麗な女の子だった。見かけからして20代だろうか?
「お隣、いいですか?」
「あぁ、いいよ」
と僕は答えた。
彼女は福士遊(フクシユウ)という名前らしい。
職業は普通の会社員と彼女は答えた。
「へぇ〜〇〇企業の社長さんなんですね〜!」
「まぁね…」
「よかったらこれもなにかのご縁なので今度御茶しません?」
「……お断りします」
「え〜」
あまりにも直球すぎるだろ、完全に…
「あら?そろそろ時間ですね、じゃああたしはこれで!さようなら〜!」
「……」
馴れ馴れしいな…しばらくこのバーには来ないことにするか…
「親父、今日家に女の人が来てたよ」
「ん?なんのようでだった?」
息子はもう中学生だから一人で留守番させている。
「なんか親父の恋人だって言ってた…まさか親父……」
と息子は怪しんだ目で僕を見た。
「そんなことないだろ、多分家を間違えたんじゃないか?」
と答えておいた。
知り合いに女の人はいるがそういう関係でもないしほとんど仕事関係の人、僕の年代で浮気をするなんて馬鹿馬鹿しい。僕はそう思って息子と食事をしていた。
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