肉食系キス魔。

「カンカン! 今日はデザート作ってみた……!」


「おう、美味そうだな」


俺らは新婚生活トライアルキャンペーンがあってからだろうか、前よりも少し距離が近づいた気がする。

そんなこんなで今日はいきなりショコラのやつが俺にデザートを作ってくれた。

正直こいつが作る手料理はめっちゃ上手い。

今日はプリンアラモードだろうか?

以前にプリンは食ったことあるがレベルアップしている。


「うむー、なんかお二人さん最近随分と仲良くなりましたぁ?」


思わずスプーンに乗せたプリンと、こんもり盛られているクリームを滑り落としそうになる。

身近な存在であるシフォンに言われるってのが余計に恥ずかしい。

一応、自覚済みではあるのだがなぁ……。


「んー、まあ、この前少しだけいい事あってねぇ~」


いや、プンプン匂わせんなよ。

お前の事だから焦ってツンツンするかと思ってたら今日は肉食だな。

最近は圧倒的に肉食率が高めだ。


「それはなんと! 順調に進んでおりますね~」


「シフォンッ! ソノコトハシズカニシナサイ!」


は? シフォンそれはどういうことだい?

もしかして、こいつら裏で仕掛けてたりしねぇよな?

あと、一瞬ショコラが聞こえないくらいの速さで何か言った気もしたが。


「んでっ、デザートの味はどっ、どうだった?」


あ~、すっかりスプーンの動きを止めてしまっていた。

ちょっとわざとらしいかもしれないが、急いで俺は口にスプーンをつっ込んで答えた。


「ちょ~美味いぜこれ! スプーンを動かす手が止まらねぇ!」


「さっ、さっき手をフリーズさせてたところ見てたんだからね! ふんっ!」


嗚呼、見られてしまっていたか。

すると、俺の手はショコラに思うままに操作されてショコラの口の中にスプーンがいった。


「えっ、あっ」


「なぁによ、ただの味見だわ! それにあんた」


顔の温度がひしひしと伝わってくる。そんな距離にショコラの顔がある。



〝ペロッ〟



「クリームついてたわよ」


「ショコラ、お前みたいな人並外れの可愛さのやつはそんなに簡単に男の口を舐めたりしちゃダメだ」


「べろちゅーして、お嫁さんになった事のある仲っていうのにぃー?」


1回強がって凄い攻めたことを言ったというのに、ちょっと間を開けてショコラは言った。


「……あっ、あんたもそんな簡単にほかの女の子に人並外れの可愛さとか言っちゃだめよ!!!」


「へいへい、人並外れの可愛さなんて滅多にしねぇし、言わねぇけどな」


「何よそれ……バカみたい……」



〝やはり、お二人さんお似合いですね!〟



やばい、シフォンがいることを忘れていた。


「あっはははは! いっそ、あたしたちホントに結婚しちゃおうかしらっ♪」


ショコラは腕組みも簡単にしてくるようになった。

これはどうしようもないやつだなと思う。

俺の嫁候補第2号にすることを決心した。

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