お悩み相談室は取り合い戦!?②
そんな姿に、しばらく癒されていると
「カンちゃーん! 新しく引越しの時にベットも変えたのーっ? ふかふか〜!」
恵李が突然ベットに飛び込んだ。
ベッドの下じゃなくてもまだ安心はできない。
すると……
「カッ、カッ、カカカカカンちゃん!?!? これはなんだか見てはいけないもののような……! 急いで隠して!」
恵李が何故か俺のベッドの中からこれは……マイクロパンツというのか……? Tバックというのか? とりあえず全く見覚えのないエロさ満点の下着を発掘してきた。
「勘違いしないでくれ! 俺マジでそれ知らねぇ!それ捨てよーう! おーっ!」
俺は誰のものなのかもさっぱり分からないエロさ満点パンツを恵李から取り上げる。
「カンカン~、なんだか下半身がスースーするー! そこにあたしのパンツなかったー?」
!?
「おまっ」
な ん で そ の 姿 で 出 て く る
「ど、どうして……カンちゃんの家に女の子の下着とかわいい女の子!? 」
「あんたこそ、あたしたちの住まいになんの用かしら?」
いや、元々お前と住む予定はなかった。
「カ、カンちゃん……! もしかしてこの子この前チューしてた……」
結構ハッキリ言うなぁ……。
「あっ、あっ、ああああれはそのっ! えっと!」
どうやら恵李のハッキリ言うのは効果抜群だったようだ。
強気だった美少女姿のキス魔は焦りを全面に出して逃げるように元の姿に戻っていった。
「あれれ、いなくなっちゃったねぇ」
キョロキョロして部屋を歩き回って探している。
「おーい、かわいい子~」
なんだそのネーミングセンスは。
まんまじゃねぇか。
「カンちゃん……? また何か出てきたケド……」
ネーミングセンスについてはツッコんでいる場合ではなかった!
恵李が俺のエロ本をパラパラめくってみてる。
ってかさっきのあの一瞬でそんなところに隠れるわけがn……
「あーっ! みっけ! かわいい子みっけ!」
「あはは、見つかっちまいましたな」
な ん で そ こ か ら 出 て く る
「それにしてもこの子ほんとにかわいいね~! 名前はなんて言うの~? なんで、カンちゃんの家にいるの~?」
それはそうとも、恵李?
お前、こいつの事気に入ったな?
あと、ショコラは美少女姿にいつの間に戻ったのやら。
さらにショコラはもっとおかしなことを言い出す。
「いやいや、あたしっさー、カンカンの将来の嫁候補らしくてさーっ」
「は?」
「え」
恵李の顔はポカーンだ。
「あれ? 違った?」
凄い。とんでもない威圧で顔面を近づけてショコラが尋ねてきた。
続けて、さっきショコラを愛でていただけの甘々の幼なじみとは思えない声色で恵李も尋ねてくる。
「ねぇねぇ、カンちゃん? 私が先に予約したと思うんだけど?」
このままだと喧嘩が始まってもおかしくない。
「はいはい、俺は残念ながら正式な婚約はどちらともしてませーん! はい、撤回!」
はぁ。って……
「はぁ? 撤回ってなによ! 撤回って! 私と夢の中でしてたじゃないの!」
「そうだよ! 勝手に撤回なんておかしい! お母さん達にも私がカンちゃんのところにお嫁さんに行くって言っちゃったじゃん!」
なんかもっと荒れたんだけど!?
「もうほんとありえないんだけど! あなたも思うわよね!」
「うんうん! 流石に今のはないよね! 見損なっちゃったよ」
「もういいわ! あなたも今日は帰りなさいっ」
「う、うん!じゃあ今日は! カンちゃんきちんと反省するんだよ!」
なんか勝手に話進められて幼なじみ追い出されたのだが……?
お、俺は反省しなきゃ行けねぇのか……。ってなにをだよ! マジでなにを反省するべきなの!? 俺は!
「はいはーい、天然擬きさんが帰ったということで~!」
「お前! どれだけ人に迷惑をかけてるのかわかってるのか!? お前は少し自分勝手すぎるんだよ! 今日は恵李の」
割り込んでショコラが言ってくる
「相談は終わったらさっさと帰らせればいいのよ! 別にあんたはあの子の事好きなわけじゃないんでしょぉっ?」
そうだ。確かに俺は恵李に恋をしている訳では無い。
けれど、幼なじみはやっぱり大切にしなければいけないと思う。唯一の幼なじみ。
「好きじゃないかもしれないけど大切だ! 俺は幼なじみが大切なんだよ!」
「大切……。あんた私にも前言ってくれたよね……」
「お、おう」
「けど、今日は私の大切より、恵李さんの大切を大切にしてた……」
大切を大切にしてたっていうのは初めて聞いたがなんとなく伝わった。
お前、それ嫉妬って言うんだぞ?
もっと大切にしてって言ってくれればいいのになぁ。
「へいへい、俺も今からお前の大切も大切にしてやるからな」
これからは俺ももっと平等に大切にしてかなければならないようだが、かなり難しいそうだ。
でも、お前に大切が伝わるといいけどな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます