幼馴染参戦!!!

昨日とは一件落着。

体調もだいぶ良くなり、ぼんやりしていた視界もスッキリ綺麗に見えるようになった。

そして今は学校祭の準備をしている。


「えーっ! なんだかこの学校祭っての楽しそうだわねーっ!」


「うんうん! カンタさーん! これって、私たちでも参加できるのですか?」


って、お前らなんで学校にまで着いてきてるんだよー!


「今は無理だ。家で答えてやる」


俺は小声でキス魔達に言った。


「なーんでよー! ついにシフォンの話も聞かなくなったかーっ!」


「えっ! えっ……!? 答えてくださいよぉ~!」


「1人で話してたら変なやつだと思われるだろっ」


引き続き小声で答えた。


「社会の窓空いていることの方がよっぽど変なやつだと思うけケド……」


俺の下半身をキョロキョロ見回しながらショコラは言った。


「お、お、お、お、おいっ!」


思わず大声を出してしまった。

しまいに立ち上がってしまった。

俺は急いで座りさりげなくチャックを閉めといた。


「クククッ……」


「なんだその笑い方は!」


馬鹿にするような顔でショコラが笑っているのに異様に腹立つ。


「カンちゃん……? なんだか今日様子がおかしいよ……? やっぱり風邪治ってないんじゃない……?」


横から安心感のある優しい声が聞こえた。


「おーい、カンちゃん~」


突然俺の視界にこちらの方へ手を振っているショート髪の清楚系の女の子が写った。


「お、おうっ! なんだっ!」


俺は慌てて返事をしたのだが……、


「うわぁ、やっぱあんたって女の子の話もまともに聞いてないクズ男なのねっ!」


「カンタさん! 無視はメッ♡ ですよ!」


なんだコイツらうるせーっ!

今日に限ってはシフォンですら苛立ちの対象に入ってしまう。


「カンちゃんもしかして今の話聞こえてなかったっ!? やっぱりさっき1人で話してたのって……。げ、げ、げ、幻覚!?」


それを言うなら幻聴だろっ!

ってツッコんでいるところじゃなかったな!

そういえばまだ紹介していなかった。

この清楚系ほんわかドジっ子は俺の幼馴染の恵李(めぐり)だ。おそらく学校生活においてだと俺の唯一の女友達だ。


「あー、もう熱は下がってるしなんでもない。ただの独り言だぜ。」


「あんたそんなんでホントに通用すると思ってんの?」


おう、幼馴染のことだからわかっている。

きっと恵李のことだから通用するはずだ。


「そっかーっ! カンちゃんは昔っから独り言が多くておっきいもんねー! めぐり一安心でっす!」


「へ……?」


シフォンの口がポカーン状態だ。

さすがのシフォンでも少し驚いているようだ。

そんなシフォンの隣では、


「なぁにが一安心よっ! この女大丈夫なのかしらっ! それにドジっ子ちゃんの域を超えている! あんたはこれが正常だと思っているのか! ばっかバカしい!」


ショコラがネチネチと騒いでいる。

まあ、俺はドジっ子に慣れているからお前らのようなキス魔だとか言うやつの方が正常には感じられねえけどな。


「よーっし! あと15分頑張るっかーっ!」

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