ツンツンデレデレ実験♡

「ただいま~」


「おかえりなさ~い! ってカンカン……じゃなくてあんた! ちょっとこっち来なさい!」


こいつめ……あだ名使ってすぐ、言い直した!


「い、いいけどお前なんでさっき呼び方言い直したんだ?」


「ふっ、なんだかこっ、この呼び方少し恥ずかしかっただけよ!」


「ふっ」とでも言って多分カッコつけたかったのだろう。

でも俺がさっきの問いかけをした時には顔がパッと真っ赤っかになっていたぞ、ショコラさんっ。


「そっ、そんなのどーでもいいからさっさとこっちに来なさいな!」


そんなに偉そうにしているがこっちというのは俺の部屋だぞ?


「はいはい、元々俺の部屋だから、そこに行く予定はあったぜ。早とちりしすぎだ」


「はっ、早とちりなんてしてないわよ!」


「で、俺を呼び出して何の用だ?」


「真面目に聞いてくれっ。ってあたしが真面目でいられないかもしれないけど……。あの、その……。あたし、どうやらケガをしたところにキスをしてやると治るっていう魔法を持っているようなんだ……。」


えっ……?

まあ、確かに夢の中ではそうだったかもな……。


「だっ、だからさ、あんた実験台にさせてよ! いっ、いち早くあたしに傷口を見せるがいいっ」


ってか実験台ってなんだよ!

失敗したら俺死ぬとかねえよな!?

でも、こいつになら何度もキスはもうされてる……。

俺から頼んだ訳では無いが……。


「まあ、いいだろう。でも、お前、夢の中で俺の傷治してくれたよな? だからもう実験なんてしなくてもいいのでは?」


「夢の中と現実の世界では少しばかり記憶が変わってしまう。だから、こっちの世界ではできるのか分からないのだ……」


まあ、納得だ。

でもこんなのに納得できるようになってしまったというのは俺もなかなか変なやつに気に入られてしまったわけだが……。


「あんた今、なんか勘違いしてたでしょ! あたし別にあんたの事なんて気に入っているんでもなんでもないわよ!」


なんで、お前は俺の心を勝手に読みとっているんだよ。

しかも言ってること大体合っている。

恐ろしいやつだ。


「まあ、キスだなんて言われたら勘違いするに決まってるだろ! ほいっ、てことで今日テストのプリントで切ったこの傷口で実験どうぞっ」


「ふ、ふんっ! こんなの早く終わらせてしまうんだからね! じゃあ、いくわよ……?」


いや、こんな間近でしかも、するときちんと予定を立ててからキスされるのってすんげぇドキドキすんな。

さすがにこいつでもこれは……。

でも忘れてはいけない、こいつはきちんと美少女だった。

ドキドキすんのも仕方ないことだ……。

そんなことを考えていたら、



〝チュッ〟



一瞬でその時は終わってしまった。


「なぁに、恥ずかしがっちゃってんのよあんた!」


「お、おいっ! 見ろよこれ! なんかお前のキスマが光りだしたぞ?」


そう、キスをもらった傷口の部分にうっすらとキスマがついておりそれが光始めた。


「これは! 成功だな! 多分もう痛くないはずだ!」


さっきまであたりが強かったショコラだが魔法が成功したからか少し気分が良くなった。


けど……


「俺、もともとこの傷そんな痛くなかったからどうかよくわからねぇ……」


う"わ"ぁぁぁ

これ、もしかして俺とんでもない失言をしてしまったのでは!?


「あ"ぁんた! 覚えときなさいよぉぉぉぉぉ!」




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