第14話 恵
1月上旬、あれなら俺たちに大きな変化があったわけでもなく、正月は2人で初詣に行き、お揃いの学業と健康のお守りを買ったぐらいだ。
だが効果本当にあるのか?と言いたくなるような話しを俺は今、目の前の女の子から聞いている。
「恵が倒れました」
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それはいつも通りの日だった。
1時間目が終わり、教室で次の授業の準備をしていたとこ携帯が震え父さんからレインがきていた。
(今日帰り遅くなるから、今日の朝恵ちゃんに夕飯作ってもらうよう連絡したからよろしく。
どうせ今日も2人で勉強するんだろ?)
いや何で父さんが普通に恵とレインのやり取りしているんだ。
(はぁー、あんま恵に無理言うなよ、恵も受験生なんだから)
(いやな前来た時に、帰りが遅くなる時は連絡してもらえば作りに行きます、て言ってたもんでな)
(だからて受験生に甘えないでくれ......)
(まぁいいじゃあねえか!そういうことだからよろしく!)
レインのやり取りを終え、とりあえず恵に謝りの連絡を入れるのとついで何時頃来れるかの聞くことにした。
だが2時間目、3時間目を過ぎてからも返事はない。
いつもは次の休み時間には返事が来るはずなんだが、今日は忙しいのか?
そう思っていると恵から返事がきた、だがその内容は恵の言葉ではなく、他人が言葉で綴られていた。何故それがわかるのかと思われるかも知れないが、明らかにそれは恵が打ったものではなかったからだ。
(急にごめんなさい、私恵の友達の鈴木綾(あや)て言います。今山城高校校門前来ています、すみませんが今すぐ来て貰ってもいいですか?恵のことでお話しがあります)
綾て確か恵がよく話していた中学時代からの友達だったよな?
何で急に?というか恵のことで話しがあるて何のことだ?
徐々に不安と恐怖が混ざり合ったかのように胸騒ぎが大きくなる。
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(うっ...、ぐっ......、あぁーーー!)
暗い部屋、1人幼い少年が椅子に座り泣け叫び、顔を酷く歪ませる。
誰もいない部屋、叫びは反響し大きく響く———
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「おい智也、どうしたんだ?顔が真っ青になってるぞ」
俺は何を見ていたのか酷く落ち着かない気持ちになっていた。隣の和也から心配する声があり、俺ゆっくり振り向く。
「悪い和也、俺今から早退するから、先生には適当に腹を壊したとでも伝えといてくれ」
頭の中が整理できたわけじゃあない、ただ行動しなければという衝動が先立っていた。
俺は和也の返事を待つことなく、荷物をまとめ校門へ向かう。
そこには恵とさほど変わらない身長だろうか、肩甲骨ぐらいまでありそうな黒髪をポニーテールで纏めた、恵と同じ制服を来た女の子が立っており、近づく俺に気づき軽くお辞儀をする。
「信楽智也さんですね?」
「あぁそうだ、恵に何かあったのか?」
真剣な顔つきの彼女に対し、流行る気持ちを抑えきれず、俺は自己紹介することなく、レインの詳細を求めた。
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「恵が倒れました。」
全身から冷汗が湧き出るの感じた。
だがそんなの構っている余裕はない、目の前の綾という子にどういうことのか説明を求める。
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