第3話 相談 2



4時間目終了のチャイムがなり、周りの生徒が散らばり出したタイミングで、俺らも屋上へ移動した。

屋上にはどこかのグループが2.3組ほどおり、俺らは、そのグループから離れた距離のとこに座り、3人で各々昼食を広げる。



「で相談て本当に何かあったの?」



とりあえず何から話せばいいか悩んだが、結局あったことをそのまま話すことにした。



「で何て返事したもんか、分からず相談してる次第」

「まぁ恋愛未経験の智也以外でも、どうしたもんかてなる話しだな、だってその子、名前も名乗らず去って行ったんだろ?別に気にしなくてもいいじゃあないか?」

「いやそれは流石に可哀想そうじゃあない?

だってその子、レインのIDまで渡してきたのよ、

名前だって緊張のあまり忘れていただけかも知れないじゃあない」



確かに告白して来たその子と、目があった時、耳まで赤く染まり肩が小刻みに震え、とても緊張していたように見えた。

ならやっぱりこのままスルーするのは、可哀想だよな......。



「というか第一、智也はどうなんだ?

断るのか?それとも付き合ってもいいと思うのか?」

「いや付き合うはないな、その子のこと何も知らないし、まず異性として誰かを好きなるがどんなものかも分からない」



今まで和也と沙耶香の惚気を聞かされていたが、他人事のように、今一理解できなかった。

自分には陸上があり、それ以外に興味がなかったてものあるが。



「どこのラブコメ主人公よ......、そんな定番的にな悩みはラブコメ漫画でも読んで勉強しなさい。

それより、別にお試しで付き合うのも一つの手じゃあない?それで智也もその子のことを好きなる可能性もあるわけだし」



お試しかー、確かに部活内でもたまにそういう話しは聞く、それで実際に付き合った人も入れば、別れた人もいた。

けど真剣な子に対して、そんないい加減な態度はとても失礼じゃあないか?最悪その子を深く傷つけてしまうかも知れないのに......。

軽く俯き考え込んでいると、和也は苦笑していた。



「まぁ智也は、その辺真面目だしなー

別に難しく考える必要はないんじゃあないか?

相手も絶対OKしてもらえるとは思ってないだろうし、仮に断るのが心苦しいのであれば、友達からでもいいと思うぞ」



なるほど友達か、それは良いかもな。

告白に対して、受けるか断るしか考えていなかったから、その発想はなかった。

頷きながら、次はどう返事するかを考える。



「こういう場合の返事て、直接かそれともレイン、どっちがいいんだ?」

正直どちらも緊張するに対して、大した違いはないが、やはり直接告白を受けたのだから、こちらも直接の方が良いのか?

沙耶香が人差し指を顎に当て考える。



「私なら、やっぱり直接のが良いと思うなー

告白するのて、結構な勇気がいるのよ?それを文章だけで終わらされるのは寂しいて感じるかな

まぁ人によっては、他人の気持ちは興味がないて人もいるけどね」



和也も沙耶香の意見に確かにと言い頷いている。

俺もあの赤く染めた顔を見た後では、確かに文章だけというのは寂しい感じがする。

俺は2人にお礼を告げ、返事を送ることにした。

返事が遅くなると、相手にも悪いと思い、すぐに連絡し、相手も昼休みかすぐに返事が返ってきた。



待ち合わせの場所の希望を聞き、何処でもと遠慮した返事もありつつ、最終的その子の希望で

光坂駅になった、そこはいつも俺が乗り降りしている駅でこちらとしても都合がよく、待ち合わせ場所、時間が決まりレインのやり取りが終了。

ちなみに名前伺ったとこ、神楽坂恵という名前で、焦っていたのか所々誤字があった。

(これを送っている時、また顔を赤くしてそうだな)

朝の光景から様子から、容易に想像がつき苦笑する。



そして連絡を取り合ってる間、和也たちは昔沙耶香が告白して俺は......と、お互い過去を思い出して、目の前でイチャついていた。

いい加減、人前でイチャつくのは勘弁してくれ......。

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