第2話 相談 1
それが俺と彼女との、運命の出会いだった。
ーーー
ーー
ー
ていやいや⁉︎何か咄嗟に恋愛マンガ的なフレーズ出てきたけど、違うだろ‼︎
何が起きた⁉︎告白か⁉︎いやだとしても突発過ぎるだろ⁉︎
「あ....は、ひふ....へ、ほ.....」
発言した張本人は顔を赤くし、フリーズしたパソコンのようになっている。
いやフリーズしたいのは俺の方なんだけど.......。
とりあえず冷静を保ちつつ、疑問を投げかける。
「えっと、どちら様でしょうか?」
「いや、えっと......これ.......」
カバンから折り畳まれた紙を渡され、女子生徒は改札口の方へ走っていった。
一体何だったんだ?
一連の出来事を思い出しながら、
「怒涛て、正にこういうことを言うだな」
とりあえず渡された紙を広げると、レインとそのIDが書かれており、それ以外の記載はなし。
これに連絡して先程の告白?の返事をしないといけないのか?
いや自己紹介もなしの突発的な告白に何て返事したらいいんだよ.......
とりあえず現在進行形で恋愛中の和也にも、聞いてみるか.......。
というかまず何て説明するかな........ 。
山城高校。
全国でも有名な進学校、3年生ともなれば教室内はどことなく緊張感が漂う。
教室に入り、ポニーテールと両サイドに垂した前髪を揺らしながら、真っ先に挨拶してきたのは、和也の彼女であり、俺の幼馴染でもある朝霧沙耶香(あさぎり さやか)。
「おはよー、駅のホーム以来ね」
「朝のイチャラブタイムは楽しかったか?」
「イチャラブタイム言うな」
緊張感などお構いなしにとった様子で挨拶から会話が始まる。
「なんだ、朝から人の彼女をナンパか?もし口説く気なら、沙耶香の可愛いくてキュートなとこ100個ぐらい言えないと許さなぞ、そうだな例えば朝の寝起きでチラリと肩から見えるブ…」「はい‼ストップーー‼」
横から和也が顔を出したと思えば、何やら話し始め、そして鼻と口を両手で塞がれている。
「何朝から教室中で恥かしいこと暴露しようとしてんのよ!」
和也は何か話そうとするも、呼吸自体できず両手で抗っている。
仲良しカップルのやり取りにしか見えない光景に、ため息しか出ない。
ようやく呼吸困難から解放され、訝しげな目をこちらに向ける。
「電車降りた後何かあったのか?」
「今ちょうど甘い光景を見せられ胃がもたれているよ……」
「いやそんな当たり前のことじゃあなくて、それ以外のことだよ」
こいつ一度陸上用スパイクで踏んだろか
「確かに教室に入ってきた時の顔いつも以上に死んでたわよね」
「あーまぁ何かあったと言えばあったな、というかそのことで和也たちに相談しようと思ってた、昼休み少しいいか?」
普段から顔が死んでいる件に関してはスルーし、あれから考えたていたこと沙耶香にも相談することにした、まぁこちらから言わずも和也から伝っていただろうしな。
「いいぞー、なら屋上で話すか、沙耶香もそれでいいか?」
「私もいいわよー」
「ありがとう、なら昼休み頼むわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます