第26話,粗忽な幽霊9
「私、教えて欲しいのです。太郎丸さんと何処でお会いしましたのでしょうか
私は生前の記憶がありませんので教えて下さいませ」
サチに懇願されて太郎丸は困った
全てお見通しのトコちゃんこと神の御使い鶏は面白そうにやり取りを見ていた
「うーん、昔のわいはイケメンの人間で大金持ちのお坊ちゃんやったんやわ、
それで貴女はんと恋人やったんやけど
性悪のニワトリに焼きもち妬かれて、わいは河童の姿にされたわけなんやわ」
トコちゃんは笑いを堪えるのに必死だったけどプライドの高い自分が悪者にされて決していい気分ではなかった。
「今のわいは河童やけど貴女はんと昔みたいに恋人同士になろうな」
サチは改めて太郎丸を見た
(チビ、デブ、ブサイク、不潔…、やっぱり嫌!)
「ごめんなさい、今は無理ですわ」
トコちゃんはとうとう我慢出来ずに吹き出してしまった
「おい河童もどき、笑わしてくれてありがとうな、でもその嘘はちょっと無理があり過ぎるぜ、もう止めとけゴキ虫野郎!」
「誰がゴキ虫やねん!!!」
太郎丸は反射的にトコちゃんに飛びかかった
「このニワトリ!、相撲で勝負しようやないか!!」
河童と鶏がもみ合いになってる時に声がかかった
「思い出した、おいらあんたを知ってるぜ、子供の時から知ってるぜ!」
声の主は恭一だった
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